総合博物館はベトナム科学技術院ベトナム国立自然博物館と標本を基盤にした自然史分野における研究と教育の協力体制を強化・発展させていくために、部局間学術交流協定を締結しました。1997年に学内共同教育研究施設として設立された総合博物館、2004年に国の機関として設立されたベトナム国立自然博物館は、いずれも生物多様性などの自然史分野での標本を基盤にした研究機関としてアジアで重要な役割を果たしてきました。総合博物館が推進している日本学術振興会アジア・アフリカ学術基盤形成事業「東アジア脊椎動物種多様性研究基盤と標本ネットワーク形成」では、ベトナム国立自然博物館がベトナム側の協力機関として参画し、また総合博物館でベトナム国立自然博物館の研究員を日本学術振興会論文博士取得支援事業で受け入れるなど、すでに着実な研究・教育交流を進めてきました。
ベトナム国立自然博物館で行われた学術交流協定の署名式には、大野照文 総合博物館長、本川雅治 同准教授、山下俊介 同特定助教、また学内研究協力者の疋田努 理学研究科教授らが、Nguyen Dinh Cong ベトナム国立自然博物館長・ベトナム科学技術院副院長、Tran Van Y 同副館長、Nguyen Trung Minh 同副館長、Phan Vam Luc 同科学評議会議長、Phan Ke Long 同運営部長、Vu Van Lien 同教育・社会交流部長、Do Thi Hai 同国際交流事務職員、Nguyen Thien Tao 同研究員らが参加しました。
Nguyen研究員の司会で進められた署名式では、Nguyen館長の挨拶に続いて、本川准教授が総合博物館の概略を、Phan運営部長がベトナム国立自然博物館の概略を紹介しました。その後、大野館長とNguyen館長が協定書への署名を行い、両機関の協力体制の発展を確認しました。続いて、大野館長が総合博物館の活動や博物館が果たすべき役割について講演を行いました。標本を基盤にした研究・教育活動を展開しながら、国際ネットワークや社会への研究成果の発信など、多方面からの活動の取り組みとその必要性を紹介しました。
続いて行われた意見交換会では、標本を基盤とした総合博物館とベトナム国立自然博物館の共同研究の推進、国際共同研究および標本ネットワーク構築に必要な研究者交流、展示や次世代をになう学生を対象とした研究成果や科学教育プログラム構築などの多方面の活動における連携強化への期待がベトナム国立自然博物館から総合博物館に寄せられました。こうした活発な意見交換が行われた後、2時間にわたって開催された署名式が終了しました。
![]() 大野館長とNguyen館長による署名式 | ![]() 署名式に出席した関係者 |
関連リンク
- ベトナム科学技術院 ベトナム国立自然博物館
http://www.vnmn.ac.vn/index.php - 日本学術振興会アジア・アフリカ学術基盤形成事業「東アジア脊椎動物種多様性研究基盤と標本ネットワーク形成」
http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/aa/