寄附研究部門「チンパンジー(林原)研究部門」を新設しました。(2012年11月30日)

寄附研究部門「チンパンジー(林原)研究部門」を新設しました。(2012年11月30日)

京都大学霊長類研究所では、平成25年1月から下記のとおり寄附研究部門「チンパンジー(林原)研究部門」を新設することになりました。

設置年月日
(寄附受入期間)
平成25年1月1日
(平成25年1月1日~平成29年12月31日)
大学名(研究所名) 京都大学(霊長類研究所)
寄附研究部門の名称
(英文名)
チンパンジー(林原)研究部門
Department of Chimpanzee Research (Hayashibara)
寄附者 株式会社林原
寄附者の概要
  1. 設立年月日:昭和7年7月10日
  2. 本社所在地:岡山県岡山市北区下石井1-1-3
  3. 株主:長瀬産業株式会社(100%)
  4. 事業内容:食品原料、医薬品原料、化粧品原料、健康食品原料、機能性色素の開発・製造・販売
寄附予定額 寄附金総額 200,000,000円
寄附方法 一括寄附
担当教員 教授、准教授、助教 各1名(兼任)
特定教員 選考予定
研究目的等 チンパンジーの比較認知科学と行動学的研究により、その認知機能の解明を通じて、人間の本性の進化的基盤を探ることを目的とする。
研究内容等 霊長類研究所では、アイ・プロジェクトと呼ばれるチンパンジーの心の比較認知科学的研究を1978年から実施してきた。そうした研究を母体にして、野生動物研究センターと協力して、その熊本サンクチュアリ(平成23年8月1日発足)で、多様な年齢と背景をもった多数個体を対象にした新たな比較研究を実施している。寄附者である林原の類人猿研究センターが蓄積してきた、覚醒チンパンジーの脳波の記録等の成果等も取り入れて、類例のない新しい比較認知科学研究を実施する必要がある。従来確立してきた野外研究と実験研究の総合を通じて、人間の本性の進化的基盤を解明するために、今回の寄附を受け入れ、さらなる研究の加速を図る。
研究課題等 人間とそれ以外の霊長類の認知機能を比較する研究をおこなううえで、人間(ヒト属)に最も近縁であるチンパンジー(パン属)の比較は最重要である。研究課題としては、比較認知科学と行動学の手法を駆使して、非侵襲的研究をおこなう。思考・言語・記憶・社会的知性など、認知機能の行動的基盤の研究に加えて、発達的・神経的・文化的・社会的基盤についても研究をおこなう。そうした成果を、チンパンジーの安寧な暮らしと、生活の質(QOL)の向上に反映させる。そのために必要な飼育研究と野外研究をおこない、福祉と保全の一体となった研究を推進する。