教育学研究科附属臨床教育実践研究センター公開講座「精神分析とこころの解放」を開催しました。(2012年11月4日)
教育学研究科附属臨床教育実践研究センターでは、毎年、深刻化する教育問題への取り組みの一環として、現代人のこころの理解に主眼をおいた公開講座を開催しています。
今年度は、Victor Sedlak 同センター客員教授を講師として京都テルサで公開講座を行い、心理臨床家や教育関係者、看護師、学生など約60名の参加がありました。
講演ではまず、精神分析理論に基づきこころの発達がどのように進むのかについて語られ、その発達の過程で悲しみのような否定的な感情を排除せず、自ら経験していくことの重要性が語られました。さらに臨床例を交えて、そのような困難な過程において精神分析家が果たす役割についても話されました。また指定討論による議論を通して、精神分析家の限界とそれを支える枠組みの重要性などが語られました。
精神分析実践の経験が豊富な講師の語り口に接した参加者からは、「理論も事例も日々の臨床に根差して語られ印象的だった」「関わりたくない感情に気付き関わっていくことが、豊かな人生を送る上でいかに大切であるか、実例を交えて聞くことができ、今後の対人援助の助けになると思った」などの感想が寄せられ、貴重な機会となりました。
本講座は例年参加者から大変好評を得ており、来年度以降も、現代社会の複雑なこころの問題を理解するための視点を一般市民に向けて広く提供できる場となるよう開催していく予定です。
![]() 熱心に耳を傾ける受講者 |