総合博物館が若手研究者の国際交流を実施しました。(2012年7月16日~27日)

総合博物館が若手研究者の国際交流を実施しました。(2012年7月16日~27日)

 総合博物館は、日本学術振興会アジア・アフリカ学術基盤形成事業「東アジア脊椎動物種多様性研究基盤と標本ネットワーク形成」の一環として、京都大学、済州国立大学、ソウル国立大学、広州大学、山東大学、ベトナム科学技術院生態学生物資源研究所、ベトナム国立自然博物館の博士取得を目指す大学院生および若手研究者9名による学術交流を、総合博物館の本川雅治 准教授がコーディネーターとなって実施しました。

 18日~23日は、日本固有種が多く、標高により分布種構成が異なる、長野県伊那市の信州大学農学部附属AFCセンター西駒ステーションの標高800~2600メートルにおいて、哺乳類、爬虫類、両生類の種多様性調査を行いました。日本、韓国、中国、ベトナムの4ヶ国メンバーが共同してのフィールドワークに基づくデータ収集、標本作成を行い、調査技術と研究能力を向上させることができました。また、調査により哺乳類9種、爬虫類3種、両生類9種の生息を確認することができました。調査ステーションでの滞在を通じて、各国の生物多様性の違いについて議論を深めることができました。

 24日~26日は、総合博物館でデータや標本の整理、正確な種同定のための標本の精査を行いました。ここでは若手研究者が互いに活発な議論を交わしながら、長野県での調査成果を報告書にとりまとめました。これらの成果は、総合博物館が主催した第2回東アジア脊椎動物種多様性国際シンポジウムにおいて、27日にシンポジウム参加研究者に紹介され、助言を受けるとともに、活発な議論が展開されました。東アジア各国の研究者からは、今回の若手研究者交流プログラムに参加した9名が、東アジア脊椎動物種多様性研究と多国間ネットワークで大きな役割を果たしてほしいとの期待がよせられました。


長野県でのフィールド調査

総合博物館での調査成果のとりまとめ

シンポジウム参加研究者への調査成果の紹介

参加した日本、韓国、中国、ベトナム4ヶ国の若手研究者

関連リンク

  • 日本学術振興会アジア・アフリカ学術基盤形成事業「東アジア脊椎動物種多様性研究基盤と標本ネットワーク形成」のホームページ
    http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/aa/