教育学研究科附属臨床教育実践研究センター公開講座「うつの心理療法:「はかなさ」と「型」の国日本において」を開催しました。(2011年10月30日)

教育学研究科附属臨床教育実践研究センター公開講座「うつの心理療法:「はかなさ」と「型」の国日本において」を開催しました。(2011年10月30日)

 教育学研究科附属臨床教育実践研究センターでは、毎年、深刻化する教育問題への取り組みの一環として、現代人の心の理解に主眼をおいた公開講座を開催しています。

 今年度は京都テルサにて、同センターのWinthrop Burr(ウィンスロップ・バー)客員教授を講師として開催し、心理臨床家や教育関係者、看護師、学生、主婦など約90名の参加がありました。

 講演では臨床的に問題となるうつ病について概観し、アメリカではどのような治療がなされてきたのか、また日米の作家がうつ状態の体験をどのように表現しているかなど、講師自身の臨床体験や比較文化的なコンテクストを交えて語りました。さらに指定討論による議論を通して、うつ病に対する様々な治療法の中の一つとして心理療法が有効であるということを説明しました。臨床経験豊富な講師の語り口に接した参加者からは、「異文化圏の方の臨床姿勢がストレートに伝わってきたことに感銘を受けた」「文化は違っても人間としての根本は通じるものがある」「日本人だからできる方法を身につけていきたい」などの感想が寄せられ、貴重な機会となりました。

 同講座は例年参加者から大変好評を得ており、来年度以降も、現代社会の複雑な心の問題を理解するための視点を一般市民に向けて広く提供できる場となるよう開催していくことを考えています。


熱心に耳を傾ける受講者