生存圏研究所赤道大気レーダー10周年記念行事を開催しました。(2011年9月22日・23日)

生存圏研究所赤道大気レーダー10周年記念行事を開催しました。(2011年9月22日・23日)

 生存圏研究所はインドネシアのジャカルタにおいて、赤道大気レーダー(Equatorial Atmosphere Radar; EAR)の完成から10周年を記念して、記念式典および祝賀パーティ、記念国際シンポジウムを開催しました。

 EARは、平成12年度末に完成した大型大気レーダーであり、インドネシア共和国西スマトラ州の赤道直下に位置しています。同種のMUレーダーと比べても最大送信出力が10分の1であること以外はほぼ同等の性能を持っており、平成17年からは全国・国際共同利用に供されています。

 式典では、津田敏隆 生存圏研究所長の開式の辞の後、Bambang Tejasukumanaインドネシア航空宇宙庁(LAPAN)長官と塩田浩平 理事・副学長から、両国の協力により10年間の長期連続観測を実現できたことに対するお礼と今後の発展を期待するとの式辞が述べられました。続いて、来賓として出席いただいたSuharna Surapranataインドネシア研究技術(RISTEK)大臣、鹿取克章 駐インドネシア特命全権大使(島田順二 公使による代読)、澤川和宏 文部科学省研究振興局学術機関課長から、それぞれ心のこもった祝辞と現在計画中のEAR拡張プロジェクトに対する期待が述べられました。また、EARのある アガム県庁を代表してEldi Zen氏から祝辞が述べられた後、津田所長とTejasukumana長官から同氏に感謝を表す記念品が贈呈されました。山本衛 生存圏研究所教授からEARの研究成果が紹介された後、EARのあるミナンカバウ地方の踊りが披露され、閉式となりました。式典は国内外から約200名が列席され、また、Marzan Aziz Iskandarインドネシア科学技術評価応用庁(BPPT)長官とSriworo B. Harijono気象気候地球物理庁(BMKG)長官も出席され、インドネシアにおけるEARに対する期待の大きさがうかがえました。

 引き続き執り行った記念祝賀パーティでは、Mahdi Kartasasmita LAPAN元長官、Iain Reidアデレード大学教授、深尾昌一郎 京都大学名誉教授からEARに対する10年間の思い出とともに祝辞が述べられました。インドネシアらしいアルコール抜きのパーティでしたが、終始和やかなパーティとなりました。

 その後、2日間にわたって開催した記念国際シンポジウムでは、16件の口頭発表と34件のポスター発表が行われ、これまでの研究成果がレビューされるとともに、最新の研究成果や今後の研究計画について活発な議論がなされました。インドネシア人研究者による発表も多数行われ、これまで生存圏研究所が東南アジア地域の若手研究者の人材養成に多くの努力を払ってきた成果が実りつつあります。


記念式典参加者集合写真

赤道大気レーダー見学の集合写真(後列左から6番目が澤川文部科学省課長、後列左から4番目が塩田理事・副学長)