英ケンブリッジ大学ウェルカム・トラスト/英国癌研究基金ガードン研究所教授のジョン・ガードン卿は、物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)で、第61回iCeMSセミナー「細胞の運命決定プロセス:卵子・卵母細胞による細胞核の初期化(リプログラミング)」の講師を務められました。
ジョン・ガードン卿は、1950年代後半から60年代にかけ、ツメガエルの成体細胞の核を卵子に移植する実験で、分化した細胞を未分化な状態に戻し、さらに他の様々な組織になる事を証明されました。2009年には「細胞核の初期化と幹細胞に関する画期的な研究」が評価され、山中伸弥 iPS細胞研究所(CiRA=サイラ)所長・iCeMS教授とともに、アメリカで最高の医学賞とされるアルバート・ラスカー医学研究賞を受賞されています。
ウイルス研究所、CiRAと共同で開催した本セミナーには、iCeMS内外から100人を超える参加がありました。会場となったiCeMS本館セミナー室だけでなく、セミナーの様子を同時中継した展示室も満席となりました。
参加した多くの若手研究者に加え、中辻憲夫 iCeMS拠点長や山中所長らからもジョン・ガードン卿への質問が挙がり、世代を越えた議論が交わされました。本セミナーの企画と司会を務めた楠見明弘 iCeMS教授や、かつて博士研究員としてケンブリッジ大学ガードン研究室に所属していた加藤和人 iCeMS連携准教授らも議論に加わり、また補足説明をするなど、参加者の理解を助ける場面も見られました。
セミナー後にiCeMS本館の交流ラウンジで開催した交流会では、報道関係者を含む多彩な参加者がジョン・ガードン卿を囲み、また分野や所属の異なる研究者同士でも親交を深めていました。
その後、iCeMS本館内を中辻拠点長が案内し、分野や研究室をまたいだ交流を促進するためiCeMSが重点整備している共用実験室やオープンオフィス等をジョン・ガードン卿は視察されました。
![]() 講演時のジョン・ガードン卿 | |
![]() 会場となったiCeMS本館2階セミナー室 | |
![]() セミナーの様子を同時中継した、iCeMS本館2階展示室 | |
![]() ジョン・ガードン卿と質疑応答をする中辻拠点長(左) | ![]() ジョン・ガードン卿に質問した後、講演に聞き入る山中所長(中央) |
![]() 交流会でジョン・ガードン卿を囲む中辻拠点長、楠見教授(右)ら | ![]() 交流会で親交を深める、様々な分野・所属の研究者 |
![]() ジョン・ガードン卿にiCeMS本館内を案内する中辻拠点長(1) | ![]() ジョン・ガードン卿にiCeMS本館内を案内する中辻拠点長(2) |
関連リンク
第61回iCeMSセミナー告知ページ:
http://www.icems.kyoto-u.ac.jp/j/rsch/smnr/2010/11/26-smnr61.html