タイ・カセサート大学で「だしイベント」を開催しました。(2010年8月20日)

タイ・カセサート大学で「だしイベント」を開催しました。(2010年8月20日)

 農学研究科食の未来戦略講座(味の素寄附講座)、農学研究科、東南アジア研究所、国際交流推進機構の共催で、タイのカセサート大学(バンコク市)において、「だしイベント」を開催しました。

 昨年に引き続き2回目となる本イベントでは、本学における「食」に関する最先端の研究を紹介するとともに、日本料理の根幹をなす「だし」を、特に「食」や「日本文化」を研究テーマにしている現地大学生の皆さんに味わっていただきました。アジアには、だしのうま味を上手に利用した料理が数多くあります。日本料理とタイ料理は全く異なるジャンルの料理に見えますが、魚のだしのうま味を生かした料理というところに共通点があります。このイベントは、日本料理に多用されるだしのうま味を共有し、自国の伝統的な食の継続意義について意見交換することを目的としました。カセサート大学からは農学・家政学・日本語学科の学生や教員、総勢約70名の参加がありました。

 縄田栄治 農学研究科教授よる本イベントの趣旨説明の後、伏木亨 同教授による "Importance of traditional UMAMI taste for Asian"(アジア人にとっての伝統的なうま味の重要性)と題したダシのうま味の科学的分析に関する講演、山崎英恵 同助教による "Anintroductory guide to traditional Japanese cuisine" (伝統的日本料理の紹介)と題する講演がありました。これに続いて、京都の有名料亭(一子相伝なかむら、木乃婦、直心房さいき)の料理人3名による実演がありました。出席者は3つのグループに分かれて、かつおと昆布をふんだんに使ったダシの引き方を見学し、現地の食材で仕上げられた「お吸いもの」と現地で仕込んだ「鰻棒寿司」を試食しました。

 トムヤムクンなどスパイスの効いた甘辛く酸っぱい味に慣れているタイの方々ですが、日本料理の繊細なダシの味もまた美味しいという感想が多く、非常に盛り上がったイベントとなりました。


左から縄田教授、伏木教授、山崎助教

熱心に講義を聴く様子

研ぎすまされたダシの味を体験

真剣な表情で「だし」を味わう学生

通訳をしていただいた日本語学科の学生と

左から中村元計氏、才木充氏、高橋拓児氏