益川敏英名誉教授ノーベル物理学賞受賞記念講演会「科学を発展させる力」を開催しました。(2009年5月8日)
益川敏英名誉教授のノーベル物理学賞受賞を記念して学内向けに講演会「科学を発展させる力」を開催しました。会場となった百周年時計台記念館には多くの学生・教職員が詰めかけ、500名収容の百周年記念ホールは、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。
講演会で益川名誉教授は、技術の陳腐化の例として、真空管からトランジスタへの移行や、エジソンの直流方式採用の電力会社の失敗等を例に挙げ、日々膨大な発展を遂げる科学の世界における基礎学問の重要性を強調する一方、最近、技術のブラック・ボックス化により「科学の疎外化」が起こっているとの問題も指摘されました。また、「科学的精神とは肯定のための批判精神である」と述べ、科学は、あるものを肯定するためにそうでないものをひとつひとつ消していく作業だと説きました。学生に対しては、大学は学問を味わうために「深い文化に触れる場所」であるとし、しっかり学んでほしい、と激励しました。
続く交流会にも多くの学生が出席し、益川名誉教授を囲んで熱心に話を聞いたり、質問をしたりしていました。
![]() 挨拶をする松本紘総長 |
![]() 講演をする益川名誉教授 |
![]() 司会をする吉川研一 理学研究科長 |
![]() 江口徹 基礎物理学研究所長 |
![]() 交流会の様子 |