地方の元気再生事業による「恭仁京/10(じゅうぶんのくにきょう)プロジェクト」を開催しました。(2009年2月4日~8日)
京都大学が、木津川市・国土交通省近畿運輸局等と連携して実施している「地方の元気再生事業」の一環として、2月4日から8日までの間、木津川市加茂地域において、地元の小学校等の協力を得て「恭仁京/10(じゅうぶんのくにきょう)プロジェクト」を実施しました。
初日は、木津川市立 恭仁(くに)小学校にて、「恭仁京/10組み立てワークショップ」を行いました。巨大ペーパークラフトを、恭仁小学校5・6年生が組み立てました。完成品は、5日(木曜日)~8日(日曜日)まで、史跡・恭仁宮跡に展示されました。また、最終日には「恭仁京/10祭」と題して、史跡・恭仁宮跡にて朝市、恭仁京ミニウォークなどを開催しました。
![]() | ![]() |
![]() 「恭仁宮大極殿」の10分の1模型 高さ約2.5m | ![]() 「山城国分寺七重塔」の10分の1模型 高さ約6m |
![]() 巨大ペーパークラフトの設計図の一例 |
地方の元気再生事業について
京都大学では、大学が有する都市計画・交通計画等の分野における研究成果を地域振興に活かすため、民学官の連携によるまちづくりを進めています。このたび、内閣府が今年度創設した「地方の元気再生事業」を受託し、木津川市・国土交通省近畿運輸局等と連携して観光まちづくり事業を実施しています。
テーマは、「幻の都・恭仁京と名宝・加茂の三塔を活かした民学官による観光まちづくり」で、地域の観光資源へのアクセス利便性と住民の生活利便性向上を同時に図るバス路線の改良や、観光魅力を創出・発掘する事業を、地元自治体や交通事業者と連携して実施しています。
地方の元気再生事業
- 経緯
内閣府が今年度創設した事業。全国1186の提案の中から120件(倍率約10倍)を内閣府地域活性化統合本部会合が選定。 - 京都府木津川市のテーマ
「幻の都・恭仁京と名宝・加茂の三塔を活かした民学官による観光まちづくり」 - 事業実施主体
内閣府が事業を選定。事業内容に関係する省庁が事業を実施。
木津川市の取組みは、国交省近畿運輸局が所管。京都大学が受託して、木津川市等と協力しながら実施中。 - 参考
恭仁京は、奈良時代に聖武天皇によって造られた都(天平十二年(西暦740)~天平十六年(西暦744))。大極殿は、平城京の大極殿をそのまま移設したものと言われ、現在、復元中の平城京の大極殿は、恭仁京大極殿の資料を基に復元されているということでも有名です。その後は、大極殿を金堂とした山城国分寺となりました。現在の山城国分寺跡(恭仁宮跡)には、金堂跡(大極殿跡)基壇と塔跡基壇が地表に残されています。塔は基壇跡や礎石跡から考えて七重塔であったと推定されています。
「加茂の三塔」は、加茂地域内の寺院にある三重塔・五重塔(現存)で、浄瑠璃寺(国宝)、岩船寺(重要文化財)、海住山寺(国宝)です。
事業内容
- 事業全体の特徴
観光と交通の連携による地域活性化のモデルを目指したもの
地域における観光資源を活かした交通利便性向上と地域活性化 - 取組(1)
地域の観光資源を活かしたバスシステムの利便性向上と利用促進戦略の構築
実施主体 | 木津川市、バス事業者等と共同して実施 |
実施内容 |
|
特徴 | これまで1便あたり数名以下の利用者であった山間地域のバスの利便性を大幅に高めることによって、観光利用客も利用しやすくしました。観光利便性の向上と、地域の生活交通確保を同時に実現する方法。京都大学(都市地域計画分野)がこれまで各地のバス路線の設計等で得てきた知見をもとに路線設計。
|
実施結果 | 利用者数の大幅増加(2008年11月と前年同月の比較)) |
- 取組(2)
地域との協働による観光の魅力創出事業
実施主体 | 木津川市、木津川市立恭仁小学校等と連携して実施 |
実施内容 |
|
実施結果 | 観光客の回遊行動の創出、観光客数の増加 |