ヒトの皮膚細胞から軟骨様細胞へ直接変換に成功

ヒトの皮膚細胞から軟骨様細胞へ直接変換に成功

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用語説明

JST戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)

  • 研究領域: 「人工多能性幹細胞(iPS細胞)作製・制御等の医療基盤技術」
    (研究総括:須田年生 慶應義塾大学医学部教授)
  • 研究課題名: 「組織幹細胞/前駆細胞を誘導するディレクテッドリプログラミング技術の開発」
  • 代表研究者:妻木範行(iPS細胞研究所教授)
  • 研究期間:平成21年10月~27年3月

線維芽細胞

結合組織を構成するもっとも主要な細胞。多くの臓器に存在する。何らかの損傷により組織に傷が生じると、この細胞が増殖し修復する。

線維化

軟骨の場合、I型コラーゲンを主体とする細胞外基質を作り、組織本来の構造・機能が損なわれる。損傷から治癒する過程の組織(瘢痕組織)形成と関連する。

奇形腫(テラトーマ)

ES細胞やiPS細胞を免疫不全マウスの皮下などに注射すると、腫瘍を形成する。この腫瘍はテラトーマと呼ばれ、さまざまな種類の組織が混在している。テラトーマを観察し、さまざまな組織に分化していることを確認することは、細胞の分化多能性を調べる一般的な方法の一つである。

リプログラミング(=初期化)

分化した体細胞の核がリセットされ受精卵のような発生初期の細胞核の状態に戻り、多能性幹細胞などに変化すること。リプログラミングを引き起こす因子をリプログラミング因子と表現することもある。

HFC (human fetal chondrocytes):ヒト培養軟骨細胞

ヒトの軟骨細胞から取り出した細胞を培養したもの。本実験ではポジティブ・コントロール(実験が正しくできているかどうかを確認する標準)として利用している。培養するとどうしても一部が線維化してしまうため、I型コラーゲンが検出されてしまう。