ヒトiPS細胞から肝細胞への分化特性はドナーに依存する

ヒトiPS細胞から肝細胞への分化特性はドナーに依存する

前のページに戻る

用語説明

 iPS細胞
人工多能性幹細胞(iPS細胞: induced pluripotent stem cell)のこと。皮膚細胞や血液などの体細胞に特定因子を導入することにより樹立される。胚性幹細胞(ES細胞)の様に無限に増え続ける能力と体のあらゆる細胞に分化する能力とを有する多能性幹細胞である。

レトロウイルス・センダイウイルス
細胞に遺伝子を導入するための方法の一つとして、ウイルスベクターを用いる方法がある。レトロウイルスおよびセンダイウイルスはウイルスベクターの一種としてよく用いられており、宿主のDNA内部に入り込み、自らを増殖させるウイルスの性質を利用して、目的の遺伝子を導入している。

エピソーマルプラスミド
プラスミドベクターは、試薬や電気穿孔などの方法で宿主の細胞に導入され、外来遺伝子を染色体外で発現させる。導入効率は、一般にレトロウイルスベクターなどのウイルスベクターの方が高いとされる。プラスミドベクターは安定で、一度作製すると長期間にわたって保存することができる。また通常の実験室で作成することができる。


一つの細胞から分裂して増えた、遺伝子が同じ細胞集団をクローンという。そのクローンを半永久的に継代培養することが可能になった状態の細胞を株という。

胚葉
受精卵が分裂し、細胞数が増えてくると、次第に大きく三つの種類(外胚葉・中胚葉・内胚葉)の細胞に分かれる。将来、外胚葉は皮膚や神経など、中胚葉は筋肉や血液など、内胚葉は消化管や肺・肝臓などへそれぞれ分化する。

肝細胞
肝臓を構成する細胞のなかで最も占める割合の多い細胞。タンパク質の合成と貯蔵、外来物質の解毒、排出など機能は多岐にわたる。

エピジェネティックス
DNAの塩基配列の変化に依存せず、表現系や遺伝子発現量を変化させる仕組みのこと。DNAとタンパク質の複合体であるクロマチンへの後天的な化学修飾(DNAメチル化やヒストン修飾)によって起こる。

線維芽細胞
結合組織を構成する最も主要な細胞。多くの臓器に存在する。何らかの損傷により組織に傷が生じると、この細胞が増殖し修復する。

臍帯血細胞
胎児のへその緒(臍帯)から採取する、胎児の血液に含まれる細胞。