化石化を逆転させ、多孔性メゾ構造体の形をデザイン -高速分離でバイオエタノール精製などの効率化へ-

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用語解説

メゾスコピック領域

ナノとマクロの間(主に数ナノメートルから数百ナノメートル)の領域。分子は大きくても数ナノメートルであり、一方細胞などの機能は マクロ領域で発現する。その中間に存在するメゾスコピック領域は、生命現象の理解や結晶中における分子の「協同的な」動きといった様々な分野の研究に重要 とされる。メゾ科学は、幹細胞(ES/iPS細胞など)研究と並び、iCeMSのキーコンセプトとなる。2011年以降、米国エネルギー省(DOE)がメ ゾ科学の可能性を探るため*1、DOE諮問委員会での議論*2、専用ポータルサイトの立ち上げ、複数の国際会議での発表などを実施し*3、これまで以上の注目が集まっている*4

多孔性構造体

多数の微細な孔を持つ物質。吸着材、分離材や触媒などに利用される。

化石化

有機物でできた生き物や細胞が徐々に無機物に置換される現象。時代やその周辺の土壌環境により様々な鉱物に置換される。

アルミナ

酸化アルミニウム。天然ではルビーやサファイアとして存在する。セラミックの一種であり、研磨剤、触媒の担体、歯科治療など幅広い分野で利用されている。

多孔性金属錯体(PCPもしくはMOF)

金属イオンと有機物がジャングルジム状に組み上がった金属錯体結晶。本質的に内包するナノサイズの細孔を利用した、ガス貯蔵・ガス分離・触媒・センサーなどの幅広い分野での応用が期待されている化合物群。

自己集合化

分子同士が反応し、ある決まった構造体へ自動的に組み上がる現象。金属錯体分野においては、金属イオンと有機物を反応させることで決まった構造体へ自動的に組み上がる。

化学風化

岩石を構成する鉱物などが雨風などにさらされることにより破壊され変質すること。特に、水などが関係した化学反応によって鉱物が溶解することを化学風化とよぶ。

鉱物置換

化石化におけるプロセスの一つ。不安定な鉱物が溶解し、より安定な鉱物へと変換する。その際、溶解する鉱物の形状を保ったまま、より安定な鉱物へと置き換わることで化石化が進行する。

参考URL

*1 http://science.energy.gov/~/media/bes/besac/pdf/Charge_2011.pdf
*2 http://science.energy.gov/bes/besac/meetings/
*3 http://www.meso2012.com/town_halls/
*4 http://www.meso2012.com/in_the_news.html