京都大学フィールド科学教育研究センター公開講座2012 「今、森から考える-森を伐る-」

京都大学フィールド科学教育研究センター公開講座2012 「今、森から考える-森を伐る-」

 京都大学フィールド科学教育研究センターでは、年に一度、夏休みに芦生研究林において、2泊3日の公開講座を実施しています。今年は、「今、森から考える-森を伐る-」をテーマとし、森林資源の利用について学ぶ講座とします。

 2日目には、原生的天然林内のなだらかなコースを大学教員が解説しながらご案内します。

 皆様の積極的なご参加をお待ちしています。

講座の趣旨

 昨年開催した第21回公開講座では、自然としての森を今一度見直すという意味で「今、森から考える」というメインテーマを掲げ、「森のめぐみ」について学びました。

 そこで学んだ森のめぐみにはいろいろなものありましたが、木材資源については、大きく取り上げることができませんでした。そこで、今年の公開講座では、木材資源を利用するためには避けて通れない「森を伐る」ことをテーマに取り上げることにしました。

 「森の木を伐ることは自然破壊だ」という人がいます。一方で、森は人手をかけて伐って行かないとよい木材がとれないばかりか、荒廃してしまってむしろ環境破壊につながるという人もいます。どちらが正しいかではなく、その両方を考えることが必要だと思います。

 今回の講座では、森林資源を有効活用するための最新の森林施業方法や森林資源の流通と地域社会の現状を学びます。あわせて森林施業が森林とその流域におよぼす環境影響にも配慮しながら、「森を伐る」ことの今日的意味、有形無形の森のめぐみについて考えたいと思います。

 野外実習では、毎年実施している由良川最上流域の芦生天然生林での樹木植生実習やシカ食害の実態観察に加えて、間伐実験を行っているスギ人工林を視察し、伐った森を間近に実体験します。また、伐採作業の実演も計画しています。

 最終日には、芦生地域の林業についてその歴史的変遷を交えて学ぶ予定です。これらの講義と実習を通じて、これから森とどのような関わりを持って生きていけばいいのかを考えていただければと思います。

日程

平成24年7月27日(金曜日)13時00分~7月29日(日曜日)12時00分 【2泊3日】

会場

京都大学フィールド科学教育研究センター 芦生研究林
(京都府南丹市美山町芦生)

交通手段

JR園部駅より送迎バスまたは自家用車

プログラム

7月27日(金曜日)

「芦生研究林の概要」
中西 麻美(フィールド科学教育研究センター 助教)
「なぜ森を伐るのか-これからの社会の中での森とのつきあい方」
長谷川 尚史(フィールド科学教育研究センター 准教授・芦生研究林長)
「森を消費するわたしたち-資源利用はどのように変わってきたか」
坂野上 なお(フィールド科学教育研究センター 助教)
「森を伐ると環境はどう変わるの?」
徳地 直子(フィールド科学教育研究センター 准教授)
「樹木の識別入門」
芦生研究林 技術職員

7月28日(土曜日)

天然林の観察(午前中は上谷の植生などを観察します。午後は[健脚・木を測る・ぶらつき]の3コースに分かれて歩きます。人工林伐採実験地の視察も行います。)

7月29日(日曜日)

「産業遺産を歩こう-原生的な森林に残る人間の軌跡」
中島 皇(フィールド科学教育研究センター 講師)

定員

30名(応募者多数の場合は抽選)

対象

一般の方(小学生以下は不可、中学生は保護者同伴)

受講料

8,200円(中高生は4,100円)この他、宿泊費など 約17,000円が必要です。

申込方法

電子メールまたは往復はがき(住所、氏名、フリガナ、年齢、性別、昼間の連絡先(携帯電話・FAX・Emailなど)、交通手段(送迎バス・自家用車)を明記)

申込締め切り

平成24年6月25日(月曜日) 必着

申し込み・問い合わせ先

〒606-8502 京都市左京区北白川追分町
京都大学農学研究科等教育・研究協力課研究協力掛
電話 075-753-6411、FAX 075-753-6005
E-mail: sympo*adm.kais.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)

関連リンク

詳細は、以下の京都大学フィールド科学教育研究センターのウェブページをご覧ください。
http://fserc.kyoto-u.ac.jp
http://fserc.kyoto-u.ac.jp/wp/blog/archives/7997