京都人類学研究会7月季節例会

京都人類学研究会7月季節例会

※ 演題、要旨およびポスターの追加をしました。(2011年7月1日)

演題

関根康正(関西学院大学大学院社会学研究科教授)
「<ストリートの人類学>の発端と行方:ケガレから都市の歩道へ」

丸山里美(立命館大学産業社会学部准教授)
「ストリートで生きる女性たち――女性野宿者たちの実践」

日時

平成23年7月22日(金曜日) 13時30分開場/14時00分開会

場所

京都大学本部構内 百周年時計台記念館国際交流ホールIII

会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧ください。
/ja/access/campus/map6r_y.htm

プログラム

14時00分~14時10分 趣旨説明:藤倉達郎(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
14時10分~15時10分 関根康正(関西学院大学社会学研究科教授)
「<ストリートの人類学>の発端と行方:ケガレから都市の歩道へ」
15時10分~16時10分 丸山里美(立命館大学産業社会学部准教授)
「ストリートで生きる女性たち――女性野宿者の実践」
16時10分~16時30分 コメント:冨山一郎(大阪大学文学研究科教授)
16時30分~17時30分 総合討論

要旨

  • 関根康正氏 「<ストリートの人類学>の発端と行方:ケガレから都市の歩道へ」

 インド社会の文脈において儀礼的なケガレ観念に関する私自身のオリジナルな理論(「不浄」と「ケガレ)との区別の導入)提示から、都市ストリート特にインドの巨大都市のストリートの縁辺の歩道空間(政治、経済、宗教などあらゆる生活活動が認められる活発な生活行為空間)に注目する現在の関心事へと、私の研究は外見的には展開・移行した。そうなってみて、遡及的に考えてみたとき、私の問題意識の軌跡の一貫性に自ら驚く。反復によるにじり寄りといった趣である。実は、この一見異なる関心の外装とは裏腹に、その両者(ケガレとストリートの縁辺)には<中心化志向の視点と脱中心化志向の視点との絡み合った抗争contestation>という共通した理論的枠組みが貫かれている。ケガレ理論では、否定的な意味を体現する「不浄」にだけ還元する中心化視点を脱して、肯定的で生成的な意味をもつ「ケガレ」の脱中心化視点を区別し析出できることを示した。同様に、歩道空間上に生きる社会的弱者とされる人々は、単にその弱者という受動性に打ちひしがれているだけではなく、支配的な社会権力が差し出す抑圧的環境下で、人(ヒト)からもの(モノ)まで可能なアクターを繋ぐ所為をミクロに発明して生き抜いている。さまざまな失敗も含めて。ケガレもインドの歩道も、<生活の論理>というものを考える格好の場所である。自己が他者になる、他者が自己になるところで存在を獲得する、それがすでにヘテロトピアとして実在する模様を目撃できる。それこそが、ネオリベのもたらす絶望のなかでの確かなそしてたぶん唯一の内在的な希望である。

  • 丸山里美氏 「ストリートで生きる女性たち――女性野宿者たちの実践」

 市井の人々の生活の諸実践が繰り広げられるストリートの空間は、女性にとっては、男性とはまた異なるものとして経験されている。本報告では、このストリートを生活の場にしている野宿者のなかでも、少数派である女性たちの存在に焦点をあてる。そこから、「ストリートの人類学」にジェンダーの視点を導入することで見える、限界と可能性とを考えたい。

問い合わせ先

京都人類学研究会事務局
E-mail: inq_kyojinken*hotmail.co.jp (*を@に変えてください)

【京都人類学研究会2011年度学生幹事】
安念真衣子 薄さやか 康陽球 北川了次 園田浩司 高田洋平 佃麻美 長岡慶 萩原卓也 丸山大介 溝内克之 山口亮太 吉澤あすな

【京都人類学研究会2011年度代表】
藤倉達郎 (http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/

備考

  • 事前の参加予約は必要ありません。
  • 当日は資料代として200円いただきます。
  • 京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ研究者・大学院生がその研究成果を報告する場です。どなたでも自由に参加いただけます。