田中 成明

田中 成明
田中副学長の写真

1964年4月以来、法学研究科・法学部で法理学の教育研究に携わってきましたが、2004年4月から法人化された京都大学の法務・安全管理担当の理事・副学長を務めております。

大学の本領は言うまでもなく教育研究であり、このことは大学の設置形態が変わっても何ら変わるところはなく、本学の運営についても、「自由の学風」の継承発展という使命にふさわしい自主的自律的な体制を、社会的責務を自覚しつつ一層強化してゆくことを期待されていると理解しております。私の担当している職務は、本学の教育研究が円滑に支障なく推進されることを支援するインフラ整備の一環に関わるものですが、大学に限らず、市民社会における自治的な組織について多かれ少なかれ共通して要請されている事項と大幅に重なり合っており、大学の特性と社会の一般的要請との調整をいかにしてはかるか、なかなか難しい問題が含まれております。法人化に伴って、コンプライアンス・訴訟をはじめとする法的問題への対応、労働安全衛生法に則った環境安全保健体制の再編成など、大学として独自に対処しなければならない事項が増えておりますが、設置形態の変更が本学の教育研究の活性化・高度化につながるような体制を構築するために、早急に取り組まなければならない課題が山積しております。

所掌事項を含め担当している職務のなかには、不案内なものもあり、それぞれの分野に造詣の深い教職員の方々のご協力を仰ぎながら、慣れない職務も遂行しておりますが、予想していた以上に忙しく、定年直前の年度ということで、法学部での最後の授業と法科大学院での最初の授業を職務付加によって担当していますが、準備もままならない状況です。

40年間にわたって恵まれた環境のもとで自由に研究教育に専念させていただいたことへの御礼奉公のつもりで、本学の教育研究環境の更なる充実のために、微力ながら最後の御奉公に励みたいと思います。