【研究紹介】 見逃せない!最前線の脱温暖化研究

【研究紹介】 見逃せない!最前線の脱温暖化研究

環境に配慮した研究活動の状況

京都大学では、3万人にも及ぶ構成員が教育研究活動に携わっています。今や全世界の課題となった温室効果ガス削減に関しても、それぞれの角度から、研究や実践が行われています。

50年後の未来予想は可能か?

工学研究科 松岡 譲教授に聞く

2050年、日本の主要な温室効果ガスであるCO2を1990年に比べて70%削減することは可能と考えています。地球温暖化の問題は、非常に長いタイムスパンをもっています。これほど長いタイムスパンを持つ課題は、人類にとっておそらく初めての経験ではないでしょうか。低炭素社会実現にむけて今後必要な産業構造転換や技術開発、インフラ投資などを促進する意味で、低炭素社会の実現可能性を探ることが重要になってきています。

温室効果ガス削減の仕組みを デザインする

地球環境学堂 松下 和夫教授に聞く

温室効果ガスを削減するためには、削減が個人や企業にとって利益や業績につながるような政策的仕組みが必要なのですが、現在の日本ではそうなっていません。国内外における削減のための仕組みつくりはもちろん、環境持続性を高めるための民主主義の工夫が必要です。

高効率水素エンジンの開発

エネルギー科学研究科 塩路 昌宏 教授に聞く

水素エネルギー社会における重要な動力源として、水素エンジンの利用が想定されます。水素は通常の炭化水素燃料とは全く異なった燃焼特性を示し、エンジン燃料に使用した際には特有の燃焼制御法が必要となってきます。様々な実験を行った結果、水素エンジンは軽油ディーゼル運転と同等またはそれ以上の高効率を達成できることを明らかにしました。

人と森を「繋ぐ」j.Pod

地球環境学堂 小林 正美 教授に聞く

日本の多くの人工林は、海外の安価な輸入材との競争の結果、間伐などの適切な手入れが行われなくなっています。手入れされない山林は、森林として健全でないばかりでなく、土砂くずれなどの災害を引き起こします。j.Podは、これまで利用されてこなかった間伐材などの小径木を利用した建物で、震度6強の地震にも耐えることができます。