聴講講義:Religion and Japanese Culture

聴講講義:Religion and Japanese Culture
  • この講義では、神道の神話や平安・鎌倉の仏教などについて学び、それらが現代に与えている影響も言及され、自国の宗教に学びたいという、この講義を選んだ動機を満たすものだった。このクラスにおいて特筆すべき点は、field tripという名の「遠足」が多いことだった。講義の時間中や土曜日に、伏見稲荷、奈良、比叡山、天竜寺へ計5回、教室での授業に匹敵するほどの頻度でfield tripが行われた。この交通費や入場料などはSCTIが負担してくれる。神社や寺を実際に訪れたスタンフォード学生の反応や振る舞いをみられるのも大きな魅力のひとつだった。教室ではたいてい講義形式の授業であったが、突然学生から質問が出ることがよくあり、さらに他の学生からの質問が次々と出て30分以上質問と応答が続く、ということもあった。伊勢神宮についてのビデオや、比叡山の千日回峰行を特集したBBCの番組を見ることもあった。負担はそれほど感じなかった。自分が4回生で、京都大学での講義を取っていなかったことが大きかったと思う。スタンフォード学生との交流はやはり何より楽しかった。自分の取った講義はfield tripが多かったことから、移動中などに交流する機会が多くあり、特に交流が持ちやすくてよかった。(工・B4)
  • 授業では鎌倉時代までの宗教の歴史、建築、考え方などについて、キーワードを中心に神道から禅宗まで、日本人でも知らない、あるいは忘れていることを学んでいった。日本についてであったが、自分は日本語で書かれた本を何冊も読まなければ講義の内容が理解できなかった。この授業の最大の特徴はfield tripの多さで、寺院や能などへ数回でかけた。事前にその場所の歴史的背景、特徴などを知ったうえで訪れ、現地においても講義を織り交ぜながら行われた。訪れた寺院で、外国人の僧から講義を受けることもあった。field tripでは学生と話す機会もあり、またスタンフォードの学生たちといることで、日本人として寺院を訪問するときとは違った視点でみることができた。
      個人的には授業の負担は大きかった。特に2回のテストとレポートに費やす負担はかなりのものだった。自分は修士論文も進めなければならなかったので、バランスをとるのが難しかった。授業をとるにあたっては、SCTIの授業に割く時間に配分を多くとっておくことが必要であり、就職活動など他に授業に出られないことが予想される場合は応募を慎重に考えるべきだと思った。
      日本人の学生がこの聴講制度に参加する目的のひとつに、学生との交流を考えている人も少なくない。しかし、スタンフォードの学生は毎日忙しい。よく勉強する。はじめのほうは学生から話しかけてくることが殆どなくとまどったが、自分から積極的に話せば学生は日本人と話したがっていることがわかった。毎日勉強で忙しいと言っても、夕食を一緒に食べに行ったり、週末に寺院を訪れたりする時間は十分あるので積極的に話しかけていけばいいと思う。(人環・M2)