筋弛緩剤(マスキュラックス)の紛失について(2011年3月31日)

筋弛緩剤(マスキュラックス)の紛失について(2011年3月31日)

 3月30日(水曜日)14時30分頃、医学部附属病院北病棟3階の看護師が同病棟内の筋弛緩剤保管庫の点検を行ったところ、本来2本あるはずの筋弛緩剤(マスキュラックス静注用10mg)が1本しかないことに気づき、病棟内を探したが見当たらなかったため、16時に医療安全管理室に報告しました。

 筋弛緩剤保管庫は1週間に1度点検を行うこととなっており、前回3月23日(水曜日)に点検を行い、その時点で2本あることが確認されています。
  前回の点検日から今回の点検までの間に、1度だけ保管庫から筋弛緩剤が取り出され、その経緯は次のとおりです。

 3月24日(木曜日)の16時30分頃、同病棟に入院中の患者の急変があり、救急部の医師とスタッフが治療にあたりました。その際、看護師が気道確保のために筋弛緩剤を使用する可能性があると考え、保管庫から1本を取り出し、溶解液、シリンジ類と一緒に膿盆に乗せた状態で救急カートの上に置き、同カートを病室に搬送しました。

 看護師は、そのあと別の業務に向うため病室を離れましたが、別の看護師が救急カート上に筋弛緩剤が準備されていることを目撃しています。
  救急部の医師等が患者の治療にあたりましたが、結果的に患者に筋弛緩剤は使用されませんでした。
  治療は約30分間行われた後、患者はCT検査室に搬送され、その後17時30分にICUに入室となりましたが、その際、筋弛緩剤を一緒に持っていかなったことを関係したスタッフに確認しています。

 救急カートは、患者がCT検査室に搬送される直前(17時頃)に、看護師によりナースステーション内の処置室に運ばれ、その後19時過ぎに看護師が使用後の救急カートの整理を行いましたが、その時点で筋弛緩剤は確認されていません。

 医療安全管理室を中心に、一連の治療行為に関与した全てのスタッフに聞き取り調査や現場の再確認を行うともに、院内の関係者が対応を協議し、京都市保健所、近畿厚生局、文部科学省など関係機関に報告するとともに京都府警川端警察署に相談し届出を行う予定です。

平成23年3月31日
京都大学医学部附属病院