第9回ITSシンポジウム2010を開催しました。(2010年12月10日・11日)

第9回ITSシンポジウム2010を開催しました。(2010年12月10日・11日)

 百周年時計台記念館で第9回ITSシンポジウム2010が、特定非営利活動法人ITS Japan主催、工学研究科共催(プログラム委員長: 谷口栄一 工学研究科教授)により開催されました。本シンポジウムは産官学連携のもとでITS(高度道路交通システム、Intelligent Transport Systems)技術の分野横断的な討論の場として2002年から毎年開催されているもので、京都で開催されるのは、2003年に続いて2回目です。このシンポジウムの特徴は、土木工学、機械工学、電気工学、情報工学、心理学、社会学、経済学などのさまざまな分野の研究者が一堂に会してITSの研究発表および議論を行う点にあります。

 本年のシンポジウムは「歴史と伝統の街・京都から考えるITS」をテーマとし、2つのポスターセッションによる109件の論文発表と4つの企画セッションにより構成され、330名の参加者がありました。企画セッションは、「環境・健康・観光」、「新エネルギー・省エネルギー」、「高齢者支援」、「移動モードの多様化」の4つの視点について、ITSの貢献や課題について講演とパネルディスカッションで幅広く議論を行いました。特に、「環境・健康・観光」に関するセッションは、「歩くまち・京都憲章」を推進されている地元行政のITS関連施策の紹介など、歴史と伝統の街・京都の特徴を活かしたセッションであり、冒頭で門川大作 京都市長が挨拶されました。パネルディスカッションでは、歩くことによって健康を増進するために、経路や観光についての情報提供、健康モニタリング、緊急時の対応などが果たす役割と意義、課題と方策について議論を行いました。

 また今回のシンポジウムでは、要素技術として開発されているそれぞれのパーツをいかにして統合されたシステムにまとめるか、またさらにいかにしてITSを社会システムとして根付かせるかという点について議論を行いました。「新エネルギー・省エネルギー」のセッションでは、交通システム、電力システム、情報システムを統合した未来のシステムの設計およびスマートシティの構築のための課題と方策について活発な意見交換を行いました。

 本シンポジウムではポスター発表の質疑によりベストポスター賞が選ばれますが、本年選ばれた8論文に対する表彰を閉会式で行いました。


大西有三 実行委員長/京都大学理事・副学長の挨拶

渡邊浩之 ITS Japan会長の挨拶

門川京都市長の挨拶

ポスターセッションの様子

企画セッションの様子

閉会式における表彰