物質－細胞統合システム拠点（iCeMS＝アイセムス）と、物質－細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター（CiRA＝サイラ）は、幹細胞研究に焦点をあてた高校生向け実験教室を共同開催することとなりました。
幹細胞研究に日々取り組んでいる若手研究者が講師となり、高校生に、科学の知識（幹細胞とは何かなど）のみならず、科学の営み（研究者達が行っている研究過程など）を伝えることを目的とした実験実習プログラムです。
幹細胞の中でも特に多能性幹細胞（ES細胞やiPS細胞など）に焦点を絞り、与えられた課題について「仮説設定→実験・検証」を行っていきます。本プログラムは、高校生達が幹細胞研究を疑似体験することを目指しています。
日時
2009年11月22日（日曜日） 13時00分～17時00分
2009年11月23日（月曜日・祝日） 9時30分～18時30分
場所
京都大学 農学部総合館 森林科学専攻実習室（S109号室）
講師
- 中辻 憲夫
iCeMS拠点長／教授 - 山水 康平
京都大学 再生医科学研究所 幹細胞分化制御研究領域 博士課程
CiRA 山下 潤 グループ 日本学術振興会（JSPS）特別研究員 - 田邊 剛士
京都大学大学院 医学研究科 博士課程
iCeMS/CiRA 山中 伸弥 グループ 日本学術振興会（JSPS）特別研究員
対象
高校生（生物 I を履修した、もしくは現在履修している方）
定員数
32人
参加費
660円（但し、昼食、保険加入のための費用として）
注意事項
- 2日間とも参加できる人に限ります。
- 希望者多数の場合はご希望に添えない場合があります。ご自宅から通える方を優先します。
- 保護者の方の見学はご遠慮ください。
- 当日、メディアによる取材やビデオ/カメラの撮影が入る可能性があります。
- 白衣をお持ちでない方には、こちらで用意した白衣をお使いいただけます。
申し込み方法
http://www.icems.kyoto-u.ac.jp/cr1.html にて必要情報を入力
締切
11月9日（月曜日）
主催
iCeMS、CiRA
協力
京都大学大学院 農学研究科、オリンパス株式会社、和研薬株式会社、京都府生物教育会
後援（予定）
京都府教育委員会、京都市教育委員会、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会、滋賀県教育委員会
企画趣旨
ES細胞やiPS細胞の性質（自己複製能、多分化能など）といった「科学的知識」だけでなく、”科学的知識が仮説検証の繰り返しで紡がれている”、”倫理的問題は科学では解決できない問題である”といった「科学それ自体についての知識」を高校生に習得させることが本実験教室の主目的です。
「科学それ自体についての知識」、これが今の高校生に欠けている部分であると、私たちは考えています。
事前知識としては、生物 I の「細胞」「生殖と発生」を学習していることが望ましいと考えています。したがって今回は「生物Ⅰを現在履修中」もしくは「生物 I を履修した」生徒を対象としています。
しかしながら、実験操作や本実験実習に関わる基礎知識は11月22日（日曜日）の半日で学習できるようにプログラムを組んでいますので、幹細胞に関する知識は必要ありません（特に幹細胞に詳しい生徒を募集しているわけではありません）。
また、既に同実験実習を受講した高校教員（京都府下）が、各班（4名の高校生からなる全8班）に1名ずつティーチングアシスタントとして入り、高校生達をリードしていく予定です。
当日のスケジュール（予定）
11月22日（日曜日）＜事前学習日＞ 担当：加納、水町、高校教員数名
12時30分～13時00分 受付
13時00分～13時10分 ご挨拶
13時10分～14時00分 アイスブレイク・安全学習・ピペットマン操作練習
14時00分～14時10分 休憩（10分）
14時10分～15時00分 事前レクチャー1「遺伝学について」
15時00分～15時10分 休憩（10分）
15時10分～16時00分 事前レクチャー2「発生生物学について」
16時00分～16時10分 休憩（10分）
16時10分～17時00分 顕微鏡操作練習「繊維芽細胞の観察」
11月23日（月曜日・祝日）
09時30分～09時40分 ご挨拶・講師紹介
09時40分～10時25分 レクチャー１「幹細胞概論」 担当：中辻
10時25分～10時30分 休憩（5分）
10時30分～11時00分 レクチャー2「研究者の1日って」 担当：田邊
11時00分～12時30分 実習１「多能性幹細胞（ES細胞、iPS細胞）と皮膚の細胞との比較」 担当：田邊
12時30分～13時30分 ランチ
13時30分～14時30分 実習2の準備1「細胞染色」
14時30分～15時30分 細胞染色の待ち時間（60分）の間に
実習3「マウスES細胞とマウスES細胞由来心筋細胞との比較」 担当：山水
実習4「染色したマウスES細胞由来血管細胞を観察する」 担当：山水
15時30分～16時00分 実習2の準備2「細胞染色操作の続き」
16時00分～16時30分 実習2「染色した多能性幹細胞と皮膚の細胞との比較」 担当：山水
16時30分～17時30分 ディスカッション
17時30分～18時30分 修了式・アンケート記入
特徴、参考情報など
- マウスES細胞、マウスiPS細胞、ヒトiPS細胞を実際に扱う事ができる、極めて稀な実験教室です。
- プログラムの最後に、参加者には 中辻 憲夫 iCeMS拠点長および 山中 伸弥 CiRAセンター長名の修了証書が授与されます。
- 科学技術振興機構（JST）「サイエンスチャンネル（※）」で、2010年春頃から放映開始予定のシリーズ番組「こちらサイエンスJr. 編集部！」に、本実験教室が取り上げられる事になっています。（これに伴い、当日、番組制作のための収録・撮影が入ります）
※ スカパー！773ch、ケーブルテレビ、インターネットで視聴可能な、JSTによる科学技術理解増進事業 - 2009年9月28日（月曜日）に、京都府下の生物系の高校教員を対象とし、予行演習を兼ねて本実験教室と同じプログラムで実施済みです。以下の写真は、その時の様子です。
問い合わせ先
＜実験教室について＞
京都大学iCeMS科学コミュニケーショングループ
加納 圭 助教、水町 衣里 研究員
Tel： 075-753-9784、E-mail： kato-g＊icems.kyoto-u.ac.jp （＊を@に変えてください）
＜iCeMSについて＞
京都大学iCeMS事務部 国際広報室リーダー 飯島 由多加
Tel： 075-753-9755、E-mail： pr＊icems.kyoto-u.ac.jp （＊を@に変えてください）
＜CiRAについて＞
京都大学iCeMS CiRA研究戦略本部 国際広報室 田村 早紀
Tel： 075-753-9871、E-mail： cira-pr＊cira.kyoto-u.ac.jp （＊を@に変えてください）