京都人類学研究会7月季節例会

京都人類学研究会7月季節例会

日時

7月17日(金曜日) 13時00開場 13時30分~18時00分

場所

京都大学 稲盛財団記念館 大会議室
※ 18時30分から懇親会を予定しております。奮ってご参加ください。

発表者

  1. 田中 雅一 (京都大学)
    「趣旨説明 なぜいま歓待の人類学か?」
  2. 浅川 泰宏 (さいたま県立大学) 
    「<つながる>ことの快楽と呪縛: 出会いの回路としての接待を通して」
  3. 國弘 暁子 (群馬県立女子大学)
    「異装を纏う人々への歓待の作法: インド、グジャラート州におけるヒジュラとしてのあり方を中心に」
  4. 徐 玉子 (京都大学)
    「<性労働>、セックスから感情労働へ: 在韓米兵相手のフィリピナー・エンターテイナーの場合」
  5. 松田 さおり (宇都宮共和大学)
    「<蝙蝠>としてのホステス: 女性たちの接客実践の検討」
  6. 大浦 康介 (京都大学)
    「歓待と誘惑」

コメンテーター

青木 恵理子 (龍谷大学)

趣旨

 「民族学〔文化人類学〕は未開社会という特殊な対象によって定義される専門職ではなく、いわば、ひとつのものの考え方であり、自分の社会に対して距離をとるならば、私たちもまた自分の社会の民族学者になるのである」というモーリス・メルロ=ポンティの言葉は、半世紀前に書かれたものですが、人類学の可能性を示しているとともに、またその限界をも示唆しています。可能性とは、人類学は「未開社会」、異文化社会にこだわる必要はない、ということです。グローバル化の現代、かつて想定されていたような異文化という領域が流動化している状況で、メルロの言葉は、遠くに出かける必要はないんだ、と語りかけています。人類学は、対象によってではなく、「距離をとるならば」という態度によって規定される学問だ、ということになります。しかし、メルロの限界は、まさにそこにあるように思われます。「距離をとって」他者に関わるという近代人の態度こそ問いなおすべきだと考えるからです。

 今回の例会では、歓待(ホスピタリティ)という視点から、接待、接客、感情労働、誘惑といった行為に注目し、他者との出会いについて再考したいと思います。他者とどう関わるのか、という問いかけは、共存や共生をめぐる議論に対してだけでなく、フィールドワーク論の再考に貢献することになるでしょう。

備考

  • 事前の参加予約は必要ありません。
  • 当日は資料代として200円をいただきます。
  • 京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心を持つ大学院生・研究者がその研究成果を報告する場です。

お問い合わせ先

京都人類学研究会事務局 inq_kyojinken*hotmail.co.jp (*を@に変えてください)
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京都人類学研究会代表 田中 雅一