木谷雅人メッセージ(2005年10月1日)

木谷雅人メッセージ(2005年10月1日)

10月から総務・人事・広報担当の理事・副学長に就任いたしました。

私は昭和51年に京都大学法学部を卒業後、文部省に入省し、様々な仕事をしてまいりましたが、とりわけ高等教育行政に関しては、平成7年以来留学生交流、医学教育さらには大学改革全般にかかわらせていただきました。しかしながら実際に大学で仕事をするのは初めてであり、その責任の重さに身の引き締まる思いです。これまでの経験を少しでも活かしながら貢献することができれば幸いです。

「知」を基盤とする社会の進展の中で、高度で多様な人材の養成、新たな知の創造、それらを基盤とした様々な社会貢献など、大学の果たすべき役割はますます大きくなっています。こうした要請に応え、大学改革は過去20年間着実に進められてきました。社会の大学に対する見方には依然として厳しいものがあり、なお一層のコミュニケーションが必要ですが、その厳しさは大学へのさらなる期待の表れともいえます。法人化は大学運営の自律性・機動性を高め、多様で活力ある大学づくりが進むようにすることをねらいとして制度化されました。たしかに、現下の国家の財政事情の下で、財政面では大変厳しい状況にありますが、その中で法人化のメリットを最大限に引き出す方策をみなさんとともに考えていきたいと思います。

着任を前に「変わる京大」をはじめとする最近作成された広報資料を見て、広範にわたる改革の内容とそれらを分かりやすく伝えようとする工夫に、大いに感銘を受けました。私の所掌は、総務・人事・広報のほか事務総合調整などの特命事項を含む幅広いものであり、できるだけ早く具体的な課題についての抱負はまとめたいと思いますが、基本的にはこのような大学の将来の方向性について、学内で密接な意思疎通と共通理解を図り、さらに学外の各方面に対して積極的な広報広聴活動を展開しながら、法人化後の大学運営の基盤を整備し定着させていくことが重要だと思います。その意味で、学内外の幅広い方々とのコミュニケーションを特に大切にしたいと考えています。

京都大学が、法人化という大変革を契機に、その伝統の強みを生かしつつ、積極的なポリシーをもってさらなる飛躍・発展を遂げますよう、尾池総長の下で他の役員の方々とともに、微力ながら専心努力をしてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いします。

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