過去のメッセージ (2005年10月1日〜2006年4月10日掲載)

過去のメッセージ (2005年10月1日〜2006年4月10日掲載)

京都大学医学部教授から一転して、2005年10月1日付けで京都大学「病院・施設・国際交流」担当理事・副学長に就任いたしました。国立大学は、 2004年4月1日から法人化に移行し、大学が自ら判断し、目標・方向性を定め、それを実行していくシステムとなり、京都大学もそのまっただ中にあります。今までは、医学部・附属病院の一員として、活動して参りましたが、今後は京都大学全体のことを考え、その発展のために尽くしたいと気持ちを新たにしているとことであります。

「施設」について;

独創的・先端的な学術研究や創造性豊かな人材育成のための活動拠点をなすもので、京都大学にとって非常に重要な基盤であります。国の財政事情を反映して施設整備にかかる補助金が従来に比べて厳しい中、なお一層の施設マネージメントの推進により、施設の整備、支持保全、管理運営を一本化し、戦略的かつ経営的視点に立って教育研究環境の質的向上を図っていきたいと思っています。

「国際交流」について;

京都大学は、国際的人材の養成、研究成果の国際的発信と国際連携、アジア・アフリカにおける地域研究とフィールド科学を重視する国際連携・協力などを目的として活動を行っています。さらに、全世界にある34の海外拠点の連携による有効活用を検討しています。この様に、世界的視野に立って研究活動の出来る場の形成、人材育成を目指し、一層の支援をしていきたいと思っています。さらに、在学生の海外留学の支援、留学生の受け入れなど積極的に進め、若手研究者の国際交流をはかっていきたいと思っています。

「病院」について;

医学部附属病院は、診療・医師の卒前・卒後教育・臨床研究の3つの使命を有しています。昨年から、初期臨床研修制度が義務化されるとともに、初期臨床研修及び後期臨床研修医師の確保、臨床教育が新たな重要な課題となってきています。多くの優秀な医師の確保により始めて、レベルの高い医療の提供、臨床研究が可能になり新しい医療の開発がなされ、やがてその成果の患者への還元が可能になるわけです。これらの基盤になるのは、アメニティを踏まえたレベルの高い医療を提供可能な病院作りであります。また、法人化に伴い、病院は自立的、効率的運営が求められています。そのために、病院長がリーダーシップを発揮できる体制作り、優秀な医療スタッフの確保・育成、病院に特化した様々な職種の職員の確保・配置が可能な体制作りが必須であると考えております。

特命事項である「病院経営改善」について;

国立大学法人に占める附属病院は、自己収入に占める割合、支出に占める割合、職員数に占める割合からしても大きな役割があり、しかも他部局と異なり「診療」という役割が大きな位置を占める特殊性があります。本年度から毎年、経営改善分として平成16年度の収入ベースの2%が運営費交付金から削減されることとなっているため、病院の経営基盤の確立が急務であります。したがって、法人本部と病院との意思疎通・相互理解の徹底化を図る必要があると考えています。

その他、所掌事項として、京大基金、学生教職員の健康管理、災害時医療対策、エネルギー問題、国際交流推進機構がありますが、担当副学長、担当部署と一体になり任務にあたる所存であります。

理事・副学長の仕事の傍ら、循環器内科の教授として、主として教育・研究に引き続き携わらせて頂く予定です。