京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)およびiPS細胞研究所(CiRA=サイラ)は8月4、5日にiCeMS本館で、幹細胞研究に焦点をあてた高校生向け実験教室を共同開催します。この実験教室は、京都大学と京都府教育委員会との連携事業の一環として実施します。
幹細胞研究に日々取り組んでいる若手研究者が講師となり、科学の知識(幹細胞とは何かなど)のみならず、科学の営み(研究者が行っている研究過程など)を高校生に伝えることを目的とした実験実習プログラムです。昨年度に続き、2回目の開催となります。
幹細胞の中でも特に多能性幹細胞(ES細胞やiPS細胞など)に焦点を絞り、与えられた課題について「仮説設定→実験・検証」を行っていきます。本プログラムでは、高校生が幹細胞研究の疑似体験をすることができます。
第1回の様子(2009年11月、京都大学)
日時
2010年8月4日(水曜日)13時00分~17時15分
2010年8月5日(木曜日)9時30分~17時15分
場所
京都大学物質-細胞統合システム拠点 本館2階展示室&セミナー室
講師
熊谷 英明 京都大学再生医科学研究所 博士課程(中辻憲夫研究室)
小倉 綾 京都大学再生医科学研究所 博士課程(高橋淳研究室)
対象
高校生
生物 I 、理科総合Bを履修した、もしくは現在履修している方、また2日間とも参加できる方に限ります。希望者多数の場合は、ご希望に添えない場合があります。宿泊が必要な方は各自でご手配ください。
募集人数
32人
参加費
600円(ただし、昼食代として)
申し込み方法
http://www.icems.kyoto-u.ac.jp/cr2.htmlにて必要情報を入力してください。
※ 締切:7月19日(月曜日)
問い合わせ先
- <実験教室について>
京都大学iCeMS 科学コミュニケーショングループ
水町 衣里 研究員、加納 圭 助教
TEL: 075-753-9784
E-mail: kato-g*icems.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください) - <iCeMSについて>
京都大学iCeMS 事務部 国際広報セクションリーダー
飯島 由多加
TEL: 075-753-9755
E-mail: yutaka-iijima*cems.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください) - <CiRAについて>
京都大学CiRA 研究戦略本部 国際広報室
川上 雅弘
TEL: 075-366-7005
E-mail: cira-pr*cira.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください) - <京都府教育委員会について>
京都府教育庁指導部学校教育課 参事
丸川 修
TEL: 075-414-5822
E-mail: o-marukawa23*pref.kyoto.lg.jp (*を@に変えてください)
主催
京都大学iCeMS、京都大学CiRA
共催
京都府教育委員会
協力
オリンパス株式会社
後援(予定)
京都市教育委員会、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、兵庫県教育委員会、滋賀県教育委員会
企画趣旨
ES細胞やiPS細胞の性質(自己複製能、多分化能など)といった「科学的知識」だけでなく、“科学的知識が仮説検証の繰り返しで紡がれている”、“倫理的問題は科学では解決できない問題である”といった「科学それ自体についての知識」を高校生に習得させることが本実験教室の主目的です。
「科学それ自体についての知識」、これが今の高校生に欠けている部分であると、私たちは考えています。事前知識としては、生物 I の「細胞」「生殖と発生」を学習していることが望ましいと考えています。したがって今回は「生物 I 、理科総合Bを履修した、もしくは現在履修している」生徒を対象としています。
実験操作や本実験教室に関わる基礎知識は8月4日(水曜日)の半日で学習できるようにプログラムを組んでいますので、幹細胞に関する知識は必要ありません(特に幹細胞に詳しい生徒を募集しているわけではありません)。また、8月2、3日に同実験教室を受講した高校教員(京都府下)8名が、各班(4名の高校生からなる全8班)に1名ずつティーチングアシスタントとして入り、高校生をリードしていく予定です。
当日のスケジュール(予定)
8月4日(水曜日)<事前学習日> 担当: 加納、水町、高校教員8名
12時30分~13時00分 受付
13時00分~13時10分 挨拶&趣旨説明
13時10分~14時00分 【実習】アイスブレイク/安全学習/ピペットマン操作練習
14時00分~14時10分 休憩
14時10分~15時00分 【レクチャー】 事前学習(細胞/ゲノム/幹細胞)
15時00分~15時10分 休憩
15時10分~16時00分 【レクチャー】 事前学習(バイオイメージング/科学の営み)
16時00分~16時10分 休憩
16時10分~17時15分 【実習】 顕微鏡操作練習「繊維芽細胞の観察」&スケッチ
8月5日(木曜日)
9時00分~9時30分 受付
9時30分~9時40分 挨拶&本日の流れを説明
9時40分~10時10分 【レクチャー】「研究者の1日って?」
10時10分~10時40分 【レクチャー】「ES細胞とiPS細胞」/仮説をたてる
10時40分~12時10分 【実習】ES細胞とiPS細胞の観察、比較
12時10分~13時10分 昼食
13時10分~13時50分 【実習】免疫染色の準備
13時50分~14時00分 休憩
14時00分~15時00分 【実習】神経細胞の観察
15時00分~15時40分 【実習】免疫染色したiPS細胞の観察
15時40分~16時10分 【実習】思考実験
16時10分~16時40分 【実習】仮説の再考
16時40分~17時15分 修了証書 授与式
特徴、参考情報など
- 京都大学と京都府教育委員会との連携事業の一環として実施します。
- マウスES細胞、マウスiPS細胞、ヒトiPS細胞を実際に扱う事ができる、極めて稀な実験教室です。
- プログラムの最後に、参加者には 中辻 憲夫 iCeMS拠点長および 山中 伸弥 CiRA所長名の修了証書が授与されます。
- 2010年8月2、3 日に、京都府下の生物系の高校教員を対象とした教員研修を本実験教室と同じプログラムで実施します。そのうち8名が、本実験教室のティーチングアシスタントとして参加します。
- 前回の様子が、独立行政法人科学技術振興機構(JST)サイエンスチャンネルの「こちら!サイエンスJr. 編集部」で、特集番組として放映されます(2010年7月3日(土曜日)から http://sc-smn.jst.go.jp で放映開始予定)。
iCeMSウェブサイトでのニュースリリース
http://www.icems.kyoto-u.ac.jp/j/pr/2010/07/02-nr.html