京都人類学研究会4月例会

京都人類学研究会4月例会

京都人類学研究会4月例会のお知らせです。
奮ってご参集くださいますようお願いします。

日時

2010年4月23日(金曜日)18時00分開場 18時30分開始

場所

京大会館101号室
会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧ください。
http://www.kyodaikaikan.jp/access.html
※終了後懇親会を予定しております。ぜひご参加ください。

演題

レヴィ=ストロースは『神話論理』で何を問うたのか?

発表者

渡辺公三(立命館大学大学院教授)

コメンテータ

未定

要旨

  レヴィ=ストロース(1908~2009)のライフワーク『神話論理』がようやく完訳された。1964年から1971年の7年間の集中的な作業で著者、レヴィ=ストロースは何を問おうとしたのだろうか。半世紀近く前の作品に、まだ読みとられるべき何かがあるのだろうか。この問いに、三つの視点を重ね合わせて答えてみたい。ひとつは、著者自身の、第二次世界大戦前夜、西欧世界の危機への1930年代の考察から始まり20世紀後半まで持続した著者自身の思考の軌跡のなかでこの作品を位置付ける視点。第二に、20世紀後半の1960年代の同時代の世界の動向の何に、著者は答えようとしたのかという視点。そして第三に、数世紀にわたる西欧の思考の歴史の流れの、どのような固有の設問の磁場のなかで、この作品の考察が実現されたのかという視点。
   『神話論理』には、神話を語った南北アメリカの諸地域のインディアンたちの声と、それを聞き取り書き留めた白人たちの言葉と、それを読み解きながら半ば匿名であろうという意思を表明する著者レヴィ=ストロースの長大な独語とが輻輳し混交した、いわばひろびろとしたヘテロトピックな作品(オペラ)という側面もある。あるいは4巻の『神話論理』が壮大な長歌だとすれば、それに続く『仮面の道』(1975)、『やきもち焼きの土器つくり』(1985)、『大山猫の物語』(1991)が反歌として応えているともいえるだろう。それぞれ大『神話論理』と小『神話論理』と、著者自身が名付けた神話研究を、今も有効な人類学的設問が埋蔵されているかもしれない鉱脈として試掘することを試みてみたい。

備考

※事前の参加予約は必要ありません。
※当日は、資料代として200円をいただきます。
※京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ大学院生・研究者がその研究成果を報告する場です。どなたでも自由に参加いただけます。

お問い合わせ先

京都人類学研究会事務局 inq_kyojinken*hotmail.co.jp (*を@に変えてください)
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京都人類学研究会代表 田中雅一