第7回『仮想地球』研究会/シンポジウム 宗教的地球観会議 - 宗教的地球観、科学的地球観、そして『仮想地球』 -

第7回『仮想地球』研究会/シンポジウム 宗教的地球観会議 - 宗教的地球観、科学的地球観、そして『仮想地球』 -

 第4回研究会でお招きした中沢新一氏には、神話的世界観や思考について伺うことができました。中沢氏の神話論では、科学と宗教は精神的営みとしての原型を神話に求める事ができ,神話の体系のなかで両者は共存し、人間と自然、生態、宇宙の調和を実現しているとされています。そこで今回は、世界を見渡せば現在に至るまで大きな影響を持ち続けている、既成宗教の地球観あるいは世界観について、科学的地球観との関係を中心に、第一線の宗教研究者にご講演いただきます。本シンポジウムを通じて、宗教と科学がそれぞれ宇宙や自然、生態、人間社会をデザインし、意味づける際の思考様式の違いや相補的関係を探ることができればと考えています。また、今後の地球における両地球観の意義と問題点について文理学際的に考えたいと思います。学術、科学あるいは人間社会にとって、宗教的地球観とはいったいどのように位置づけられるのか。科学にとって宗教的地球観は「仮想」なのか。また、「仮想」であるならば、それにどのような意義があるのでしょうか。 また、『仮想地球』研究会としては、宗教・科学の両地球観と『仮想地球』の関係について考える必要があります。現在、多くの学術研究プロジェクトは「構想」的思考を基盤とし、学術を通じたよりよき人間社会を志向しています。こうした状況下、学術研究の場における『仮想地球』研究会の営みは、よりよき「構想」のためのものなのか、それともFantasyであり続けることの意義を追求するものなのでしょうか。このように、「仮想」と「構想」を軸に両地球観について議論することを通じて、学術研究の場における「仮想地球」および『仮想地球』研究会の意義も明らかになると考えています。

日時

2009年2月20日(金曜日) 13時00分~18時30分 (開場12時00分)

場所

京都大学稲盛財団記念館 3階大会議室
アクセスマップ: /ja/access/campus/map6r_m.htm

参加申し込み

「仮想地球」研究会事務局

virtual.earth.kyoto*gmail.com (*を@に変えてください)

発表要旨

http://virtual-earth.asafas.kyoto-u.ac.jp/info/007.html

プログラム

開会の挨拶:

荒木 茂 (『仮想地球』研究会代表)

趣旨説明・司会:

新井 一寛 (京都大学ASAFAS研究員)

発表:

  • 「キリスト教的世界観と科学的世界観──地球はいかなる場所か」
    芦名 定道 (京都大学大学院文学研究科教授)
  • 「哲学と信仰の言葉のあいだで:中世ユダヤ思想の自然観・人間観の一断面」
    手島 勲矢 (同志社大学大学院・神学研究科教授)
  • 「イスラーム世界における地球観」
    仁子 寿晴 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科附属イスラーム地域研究センター客員准教授)
  • 「ヒンドゥー教における多一論的宇宙観」
    田辺 明生 (京都大学人文科学研究所准教授)
  • 「いのちの道の伝承文化としての神道-仏教との比較の視点より-」
    鎌田 東二 (京都大学こころの未来研究センター教授)

コメント:

  • 柴田 一成 (京都大学理学研究科ふ附属天文台台長、教授)
  • 大野 照文 (京都大学総合博物館教授)
  • 荒木 茂 (京都大学ASAFAS教授)

 

主催: 『仮想地球』研究会