全国191か所の観測が捉えた森林の変化~長期観測データにより気候変動との関連が明らかに~

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研究者情報

概要

発表者

大阪公立大学 吉川 徹朗 准教授、竹内 やよい 教授、国立環境研究所 角谷 拓 生物多様性領域室長、九州大学 榎木 勉 准教授、秋田県立大学 星崎 和彦 教授、信州大学 小林 元 准教授、高橋 耕一 教授、森林総合研究所 浅野(中静) 透 前理事長、野口 麻穂子 グループ長、小黒 芳生 主任研究員、佐藤 保 企画部長、山川 博美 主任研究員、北海道大学 鈴木 智之 准教授、中村 誠宏 教授、東京農工大学 吉田 智弘 准教授、京都大学 石原 正恵 准教授、舘野 隆之輔 教授、東京大学 日浦 勉 教授ら

概要

 本研究グループは、日本の森林における1950年代以降の観測データを用いて、主要な4つの森林バイオームを対象に、森林の構造や森林を構成する樹種のタイプの割合が長期的にどのように変化してきたのかを分析しました。その結果、全ての森林バイオームにおいて変化が見られ、その変化は気候変動の傾向と関連していることが分かりました。本研究結果により、暖かい気候を好む樹種が増加し、寒い気候を好む樹種が減少するという現象が生じていることが示唆されました。

 本研究成果は、2026年8月20日に国際学術誌「Forest Ecosystems」にオンライン掲載されました。

ポイント

  1. 日本国内191調査区の森林における1950年代以降の観測データを集約し、それぞれの調査区での胸高断面積合計(以下、TBA)の年変化率を算出。
  2. 北方針葉樹林・落葉広葉樹林・温帯針葉樹林・常緑広葉樹林の4つの森林バイオームに分け(下図)、それぞれの森林のTBAの年変化率や、機能タイプごとのTBAの優占度の年変化率を算出。
  3. 全ての森林バイオームにおいて、森林の構造および機能タイプの割合の変化が認められ、構造変化は気候変動の傾向と関連していることが分かった。
画像
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日本列島で見られる4つの主要な森林バイオーム(写真:日浦 勉)左より、北方針葉樹林・落葉広葉樹林・温帯針葉樹林・常緑広葉樹林

研究者のコメント

「気候変動が森林に与える影響は評価が難しいものですが、各地の研究者が長年かけて蓄積した貴重な調査データを活用することで、ここ数十年の日本の森林の変化における気候変動の影響が明らかになりました。これらの結果を踏まえて、森林のこれからのあり方に注視する必要があります。」(吉川徹朗)