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  京都大学メールマガジン Vol.6
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   ◆出張報告2件  尾池和夫
   ◆おすすめサイト
   ◆入試
   ◆トピックス
   ◆ニュースリリース
   ◆イベントのお知らせ
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◆出張報告2件    尾池和夫

 この1か月の間に、東京へ3回、上海と和歌山に各1回旅行した。それらの中で上海と和歌山への旅の様子をご紹介したい。

(1)復旦大学での日中学長フォーラム

 上海の復旦大学に27の大学から学長や副学長が集まった。日本と中国からほぼ同じ数の大学が参加した。慶応大学の安西総長とともに私が日本側の呼びかけ人となり、中国側は復旦大学の王学長と北京大学の許学長が呼びかけ人となって、この日中大学長会議の第1回学術フォーラムの開催となった。

 12月8日は10時に関西国際空港を出発した。早く出るとあとが楽で、着いてからが楽しい。上海には11時30分に着いた。夕方の上海蘭生大酒店での歓迎会までに充分時間があるので、その時間を利用して、復旦大学の学生寮と留学生寮を見学することにした。これらの寮は専用の敷地に塀と門で区切られて建てられているが、門の前に商店街があり、たくさんの店を学生が経営している。果物屋から本屋、コピー屋までたくさんの店が賑わっている。

 一般学生の寮は7階建てで、建物が並んで大団地を形成している。自治寮の試みも実行されている。年1400元の部屋代で電気代は別に払う。2人部屋4つが単位になっていて、共通のスペースにシャワーなどがある。実際に使っている学生に部屋を見せてもらったが、パソコンをネットに接続して学習をしていて快適そうな部屋だった。

 この団地の中にある広大な食堂は1階が大学経営、2階は民間経営、その他にイスラーム用食堂などもある。だいたい5元くらいで定食が食べられる。訪ねたときは休憩時間だったので実物がなかったが、メニューの写真で見ると豊富な料理あり、ボリュームがあって実に美味しそうである。一部は22時頃まで利用可能だという。

 大きな体育館が賑わっている。これも寮と同じ敷地の中にある。その他、ATMなどの施設も点在している。

 外国人寮は24階建てで800室くらいある。1日の部屋代が90元程度の個室である。国内の学生向けの寮より高いがホテルのシングルルームのような作りで、ゆったりと生活できる設計である。東京大学から来た学生の部屋を見せてもらったが、快適そうである。

 別の部屋に個人が契約できるキッチンスペースがある。洗濯屋の部屋がある。訪問してきた両親が泊まれるツインの部屋もあり、1日が100元くらいだという。あちこちに学生たちが集まるスペースもあって、楽しそうに話している。コンビニもある。「便利」と看板にあるからすぐわかる。

 日本に留学した経験を持つ学生に聞くと、部屋代が高く、安定供給されていないこと、食堂で定食の量が少なくてお腹がすいて困ったという。つまり食費など生活費が高くてたいへんだったという。

 9日、学術フォーラムでは多くの有益な議論があった。私は最初に基調講演をさせてもらった。分科会の議論では、さまざまの話題が出たが、私の発言の中で、とくに報告しておきたいのは、近現代史の研究を大学が共同で行い、情報を共有しながら学生に研究成果を伝えていくのが大学の役割であるという主張である。その近現代史も長い日中の交流の中で位置づけながら見ることが必要だということを話した。

 例えば南京という地名は、日本語の中で中国の象徴としてたいへん多く使われている。南京はカボチャのことを指し、南京豆、南京袋などと言い、虫にまで南京虫というのがある。中国から伝わったたくさんのものに南京という名が付いている。そんな南京の地で侵略戦争を仕掛けた歴史を、大学が協力して研究し、情報を共有しながら若者に伝えることが重要であると述べた。南京大学も参加している。

 この第1回学術フォーラムを、さらに定期的に続けることで、参加した27大学の合意がなされ、共同宣言を採択して日程を終わった。

 帰りは10日の日曜日、12時30分に上海発で15時30分、関西国際空港に着くという、会議だけの日程であったが、早く出て帰ると、これもあとが楽である。

・学生寮の前の商店街
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_01.jpg
・24階建ての留学生寮
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_02.jpg
・学生食堂
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_03.jpg
・学生寮
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_04.jpg

(2)和歌山県田辺市での防災講演とフィールド科学教育研究センター和歌山研究林
  12月20日、京都大学と田辺市との連携の一貫として、防災講演会で私が話すことになった。17時に田辺市役所の真砂田辺市長の部屋でまず話した。市役所に着いたのは、ちょうど田辺湾に夕日が沈むところで、澄んだ空から海面に接する真っ赤な夕日に、しばらく見とれていた。こんな夕日は長い間見ていない。

 防災講演会は、まだ新しい和歌山県立情報交流センター「Big-U」で開催された。19時から21時前までの講演会であった。「地震を知って震災に備える」という題での講演をたくさんの市民が、市長さんと一緒に熱心に聞いていた。

 翌12月21日、京都大学フィールド科学教育研究センターの森林ステーションの一つである和歌山研究林を訪問した。田辺から研究林までの道筋を今回はご紹介したい。

 田辺市のホテルの窓から朝日に照らされて浮かぶ白い船を見て、やがて2030年から2040年頃にやってくると予想される南海地震の大津波のことを考えながら出発の準備をした。窓から見た海の左手の方に、フィールド科学教育研究センターの白浜の研究施設があるはずである。

 8時半に出て、9時10分には南部のインターチェンジから高速道路に乗った。ミカンがまだ木に残っている。3年前に買った公用車のカーナビにない高速道路を走って、日高川を通過し、9時35分に有田のインターチェンジを出た。有田川に沿って東に向かう。この川も2級河川である。ハッサクの実が落ちて車道にまで転がっている。昔ながらの商店に、狸の罠、猪の罠、目白の餌などと書いてあるので、帰りに立ち寄ることにした。明恵の道の駅を覗くと、ユズや「おちず柿」などという興味深いものをいろいろ売っている。

 粟生の集落をぬける頃からミカンの木が見えなくなる。ミカンは海の風で美味しくなるのだという。

 10時25分、二川(ふたかわ)のダムがある。この10キロ奥に清水温泉があると書いてある。ダムの上流側の流水と砂利の川原が見えてきて、さらに480号線を行くと、三田トンネルがあり、トンネルを抜けると清水の集落がある。10時35分、そこから右折して10号線に入る。

「行けども行けども、有田町ですね」

 ホタル王国という看板もある。川原には荻と見られる植物の群が枯れている。10時40分、一段と狭い道になる。所々に塩化カルシウムの袋が置いてある。岩肌むき出しのトンネルがあって、10時55分、護摩壇山へ行く道と分かれて、京都大学の看板のあるがたがたの地道に入った。11時5分に研究林の事務所に着いた。

 さっそく新しいj-Podの建物の2階に上がって、研究林長の徳地直子先生の説明を聞いた。
「ここは和歌山のチベットと呼ばれています」
「途中のトンネルの大きさで、このj-Podのサイズが決まりました」
  現地に来ないとなかなか実感できないような話をたっぷり聞くことができて嬉しかった。
  徳地先生の専門は水である。
「施業すると水がどのように変わるかを知ることも大きな目的の一つです」
「皆さんは今、森に木を求めるよりも環境を求めています」
  それにどう応えるかを考えるために、実測のデータを分析するのだという。

 この和歌山研究林は、1926年から99年の契約で始まった研究林である。人工林の教育研究の場として、昭和の初期には樹木の疎な所へ、スギやヒノキの樹下植栽が行われた。

 センター長の田中先生、教授の竹内先生、事務長の山田さんたちも京都から来て私たちの見学に参加してくださった。教員は、林長の徳地先生、助手の坂野上先生、職員は技術班長の長谷川さん、技術主任の上西さんたち、たくさんの方々が見学と懇談に参加してくださった。

 間伐の予定地などを視察し、予定より大幅に遅れて15時過ぎ、はや暗くなり始めた谷間をあとに、京都へ向かった。今、j-Podなど、さまざまの用途を想定して研究林の間伐材を利用する計画を考えている。皆さんもぜひ間伐材を利用する道を考え、実行してみていただきたいと願っている。

・真砂(まなご)田辺市長と間伐材の椅子
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_05.jpg
・研究林事務所のj・Pod内と窓から見た清流
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_06.jpg
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_07.jpg
・研究林の視察
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_08.jpg
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_09.jpg
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・ヒノキとスギの丸太 壁紙にどうですか?

  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_13.jpg
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_14.jpg
・研究林にて
  http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol6_15.jpg

 

◆おすすめサイト◆

○写真で見る京都大学 季節の写真 秋
  http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/01_photo/kisestu_1.htm
  京都大学写真部が撮影した今年の紅葉の写真です。

◆入試

○平成19年度の学生募集要項を発表

 平成19年度の学生募集要項を発表しました。

 前期日程試験は平成19年2月25日(日)・26日(月)・27日(火)、後期日程試験は平成19年3月12日(月)です。

 出願書類は郵送に限り、受理期間は、平成19年1月29日(月)〜2月6日(火)午後5時必着です。各学部の出願状況について、テレフォンサービス及び本学ホームページによる情報提供を行います。

 平成19年度京都大学学生募集要項の概要(抜粋)
  http://www.kyoto-u.ac.jp/GAD/topic/data06/tpc061208_2/tpc061208_2.htm

◆トピックス◆

○時計台に研究所・研究センター広報ディスプレイを設置

 時計台記念館1階ホワイエにて、研究所・研究センター広報ディスプレイの除幕式が執り行われました。式典には小西 ゆかり 松下電器産業株式会社理事、尾池 和夫 総長、松本 紘 副学長、木谷 雅人 副学長、各研究所長、各研究センター長が列席し、盛会のうちに終了しました。本ディスプレイは松下電器産業株式会社より寄贈いただいたものです。
  (写真)
  http://www.kyoto-u.ac.jp/GAD/topic/data06/tpc061211_1/tpc061211_1.htm

○京都大学清風荘の登録有形文化財(建造物)への登録について

 平成18年12月8日の文化審議会の答申をもって、京都大学所有の清風荘が登録有形文化財(建造物)として登録されることになりました。清風荘は、昭和26年6月9日に名勝庭園として指定され、建物についても庭園の重要な構成要素とされていましたが、今回の国登録によって高い価値が認められることになりました。

 (清風荘について)
  http://www.kyoto-u.ac.jp/GAD/topic/data06/tpc061208_1/tpc061208_1.htm

 (写真)
  http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/01_photo/seihuso.htm

○事務改善提案コンクールの表彰式を実施
  http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200612051609246823

○名誉教授懇談会を開催
  http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200612051728324617

○助成金等採択結果
・科学技術振興機構の「戦略的創造研究推進事業 ICORP型研究」における平成18年度研究領域及び研究総括(1件)
  http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200612011340225431

◆ニュースリリース◆

○音のくる方向を正確に知るための神経のしくみ:音源の位置を特定する神経細胞では興奮の始まる場所が音の周波数に応じて最適化されている。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/061130_1.htm

◆イベントのお知らせ◆

○「知識社会基盤構築のためのサイエンスライティング講座 II」@京大吉田キャンパス 2006
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061027_1.htm

 >>その他のイベント情報はこちらをご覧ください。
   http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/event.htm

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□編集・発行
京都大学 秘書・広報室 ksens521@mail.adm.kyoto-u.ac.jp
〒606−8501
京都市左京区吉田本町 電話 075−753−2072
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  京都大学メールマガジン Vol.5
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   ◆バンコクとアユタヤの旅  尾池和夫
   ◆同窓会
   ◆おすすめサイト
   ◆トピックス
   ◆ニュースリリース
   ◆イベントのお知らせ
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◆バンコクとアユタヤの旅     尾池和夫

 2006年11月6日から4日間、タイのバンコクで東アジア地震学国際学会があり、基調講演に招待されて参加した。久しぶりに専門の分野の人たちと会えるのもうれしかった。
  学会の内容の話は、またどこかに書くことにして、最後の日に少し時間を工面してバンコクから北へ小旅行を試みたので、そのことを報告したい。
  今年はとくにチャオプラヤ川に沿って雨期の洪水がひどく、バンコクの郊外からアユタヤにかけて水浸しの状況が続いているという話を聞いて、その状況をこの機会に見ておきたいと思ったからである。立場上、洪水の地域を見に行ったりするのは、もしかしたらまずいかなとも思ったが、こういう場合、やはり地球物理学者としての関心の方が、優先するのは仕方がないことである。

 アユタヤへ行くには、チャオプラヤ川を船でのぼっていくのもよいし、高速道路でいくのもよい。船で行くには朝7時前に出発しないといけない上に、2時間も乗っていていやになっても途中で降りる機会もなさそうである。私たちは後者を選んだ。その他に鉄道もある。

 ホテルを10時に出発して車はひたすら北へ走る。高速道路の料金は90バーツである。利用者が多く、最近値下げになったそうだ。両側にバナナやマンゴーの木がたくさんある。マンゴーの実は年中あるが、とくに4月にはたくさん実がぶらさがる。

 バンコクの郊外の高層マンションがレンタルで月1万円くらいだという。日本人の企業人も出入りが多いのでレンタルが多い。高級住宅も多く、いずれも大きな家に広い庭がついている。高速道路で30分くらい走ると東芝などの工場があり、広大な林があり、ヤシの実がふさふさとなっている。今年の雨期はとくに大雨があった。今はその雨期が終ったところで、水田は水びたしになっているし、水につかっている家も多い。タイの人たちが仏に供える蓮の花もあちこちに咲いているが、その池と田畑の区別がつかない。

 水没したバナナの木や砂糖キビは枯れかけている。もう2か月も水につかったままだという。この地域一帯に高床式にした家が多いから、ここではたびたび水につかるのかもしれない。だからこそ豊かな土地になって米がたくさん採れるのだろう。

 10時40分に高速道路が終って、車窓は焼畑や水没した田畑に近くなる。蓮も一年中咲いているし、米もいつでもとれる。ピンクの蓮の花が大きい。

 まもなくチャオプラヤ川に接近して走る道になった。水でひたひたになった大地に道をつけた感じで走っている。民家は床を高くしてあるが、幼稚園の庭は水びたしで、水の中にブランコやすべり台がある。道路脇のバス停の小屋も高床である。
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 バンパインに10時55分に着いた。ここには王様の別荘がある。宮殿は公開されているので入ってみると、広い庭園の長い道の両側にはマンゴーの木が並んで花をつけている。ずいぶん多くの種類のマンゴーがある。離宮を一時間ほど見学して山田長政の遺跡へ立ちよってアユタヤに向った。

 アユタヤ王朝は1351年に始まり、現在のタイの中部を中心に展開したタイ族による王朝であった。1767年にアユタヤ王朝が滅亡したとき、アユタヤの町はビルマ軍に徹底的に破壊された。そのためビルマ退却の後、新たに王となったタークシンは、アユタヤ再興をあきらめトンブリーへと遷都した。

 アユタヤは、東西約7キロ、南北約4キロの、四方を川に囲まれた島の町である。都としてのアユタヤは、この水を利用して、中国、ペルシャ、ヨーロッパとも交易し、一度は東南アジア最大の都市へと発展した。17世紀には日本との御朱印船貿易によって、1500人の日本人町が形成され、山田長政が傭兵隊長として名を残した。

 この地域のほとんどは平らな湿地帯、チャオプラヤ・デルタである。米の生産に適した地域で、米の生産と運搬のための運河がたくさん建設されている。アユタヤの生産物のほとんどが米であると言える。

 ワット・プラ・スィ・サンペットには、苔むしたセイロン様式の仏塔が並んでいる。このアユタヤ最大規模の寺院も世界遺産である。寺院の中を歩いた。レンガが壊れて塔は傾いている。修復はしていない。折れそうな柱の根元だけはセメントで補強してある。
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 昼食はホテルを敬遠して、ウトン通りの河畔にある、KHUM KRUNG SRIというレストランに入った。中国系の人の経営だと見た。メニューをじっくりと見て、豆腐のスープとブタ肉の入った焼きそば、海老の焼飯をたのんだ。ここでは焼きそばは主にビーフンや春雨を使うようだ。出てきた料理は最高においしかったので、やはり食べ過ぎとなった。

 昼食後、さらに観光を続けた。巨大な野外の寝釈迦である。衣をまとっている。ワット・ロカヤ・スタという。大草原に悠然と横たわる高さ約5メートル、全長28メートルの白い巨大な寝釈迦仏である。穏やかな表情と人間味あふれる姿で寝ている。
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 次は、ワット・プラ・マハタートである。謎に包まれた13世紀の名残りだという。木の根に取り込まれた仏頭が知られている。廃墟となった寺院の跡に、頭のない仏像達がずらっと並んでいる。
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 町の中に観光客を乗せる象がたくさんいる。人力車もある。

 アユタヤの街の北東にある狭い露地の市場に入ってみた。市場を北に抜けると川畔に出た。人々が壊れかけたような粗末な椅子とテーブルを屋外に置いて団らんしている。挨拶して椅子の後ろをすり抜けて板の割れそうな小さな橋に上がってみた。半分水没した民家の庭先に長い物が動いているので近づいてみたら、1メートル50センチほどの長さのワニがのしのしと歩いていた。その家の飼い犬が出てきたが、小さく「わん」と吠えただけで無視していた。馴れているのだろう。
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 屋台で売っている「バービン」というココナツを材料にした焼き菓子を食べた。マンゴーも剥いてもらって食べた。両方とも実においしい。
  15時半をすぎて、学校が終ったとみえて町中に子供たちがあふれる。大学生もいる。皆はミニバスに鈴なりになって帰っていく。両親で働いている家庭が多いから、小学生も自分で帰る。子供たちは屋台でおやつを買って食べている。迎えにきている親もいる。女子大生はみなスマートで荷物を持っていない。道ばたの屋台で鶏の丸焼きを売っている。

 アユタヤの町は川が周囲をとりまいている。道ギリギリの水位に囲まれた町を後にして、15時40分、バンコクへと向かった。新しく開設されたばかりの空港から夜中の飛行機で帰国する日程である。

 昔から、調査で旅行するたびにその旅の記録を書いた。それは後でさまざまのときに役だった。見たもの聞いたことを何でも書いておくという習慣が残った。今回の旅行は、久しぶりにその習慣をよみがえらせる旅行となった。

◆同窓会◆

 京都大学同窓会の設立について  理事・副学長 木谷雅人

 11月3日、さわやかな秋晴れの中、時計台記念館において約250名の同窓生・教職員の参加を得て「京都大学同窓会設立総会」が開催され、京都大学の全学的な同窓会組織が正式に発足しました。同時に、第一回のホームカミングデーとしてキャンパス見学会も実施されました。ここに至るまで多くの関係の方々のご協力を賜りましたことに御礼申し上げるとともに、ご参加いただいた皆様に深く感謝いたします。

 国立大学の法人化後、各大学はそれぞれの個性と特色をより明確にし、その活動に対する国民の理解を得るよう努力することが強く求められていますが、同窓会の設立は京都大学のアイデンティティを再確認し、それを広めていく中核として大きな意義を持っていると思います。

 大学としても、同窓生の皆様に対する大学の現状等に関する情報の提供等に一層努め、コミュニケーションの充実を図っていきたいと考えています。

 この機会に京都大学同窓会のホームページを立ち上げました。ぜひご覧いただきたいと思います。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/alumni/index.htm

 最近各地域においても、学部等の枠を超えた地域同窓会設立の動きが出てきていますが、京都大学同窓会としては、皆様のご意見を踏まえながら、各同窓会の活動や新たな同窓会の設立への支援をはじめ、今後様々な活動の充実に努めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【問い合わせ先】
  〒606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学百周年時計台記念館内
   京都大学同窓会事務局
    TEL 075-753-2225/2232、FAX 075-753-2286
    alumni@www.adm.kyoto-u.ac.jp


○京都大学同窓会設立・ホームカミングデイを開催
  http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611091031445450

○京都大学ボート部創部100周年、医学部ボート部創部50周年記念行事
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_sotu/dousoukai.htm#a061209

◆おすすめサイト◆

○学歌
  http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/01_song/song.htm
  2004年の京大合唱団OBによる合唱と、朝比奈隆氏の指揮による京大交響楽団・合唱団の演奏による蓄音機用レコードの音声を聞くことができます。

○ホームページの新規コーナー
  ・[京都大学との契約について] 京都大学における発注・検収
   http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_keiyaku/hachu.htm

◆トピックス◆
○第48回京都大学11月祭を開催
  http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611271917182511

○第3回京都大学・東京フォーラムを開催
  http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611211614210888

○京都市立第四錦林小学校4年生の皆さんからプレゼントを頂きました
  http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611080901580756

○化学研究所 創立80周年記念行事
  http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611140901090767

○ハロウィン!仮装した学生さん4人が、構内を回りました
  http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611091148137685

○“留学のススメ”を開催
  ・KUINEP学生による協定校紹介 Part1 スイス・ローザンヌ大学
   http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611161358420094
  ・特別編 国立シンガポール大学への留学説明会
   http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611151133325998

○助成金等採択結果
  ・産業技術研究助成事業(3件)
   http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611010922093864
  ・社会技術研究開発事業(1件)
   http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611141615502448

◆ニュースリリース◆

○見えない暴力−「精神的いじめ」の実態調査について
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/061114_2.htm

○「ホワイトナイル」の販売実績とエンマー小麦の収穫状況について
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/061106_3.htm

○「生きた細胞の核から自由自在に染色体を取り除く」−再プログラム化と染色体除去技術による体細胞の幹細胞化−
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/061106_2.htm

○「緑のかおりで害虫の天敵を誘引」−植物の改変により病害虫に対する抵抗力を上げる試み−
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/061031_1.htm

◆イベントのお知らせ◆

○企画展
  ・総合博物館平成18年秋季企画展
  「湯川秀樹・朝永振一郎生誕百年記念展−素粒子の世界を拓く−」
   http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/buhin/061004.htm

 ・大学文書館 「一中・三高・京大 −二人が学んだ学校−」
   http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/buhin/070128_1.htm 

 ・京大サロン 「湯川秀樹・朝永振一郎生誕百年企画展「二人を取り巻く人々」」
   http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/buhin/061004_1.htm

○京都大学未来フォーラム(第26回) 「現代を生きる狂言」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061218_1.htm

○玉城嘉十郎教授記念公開学術講演会(第45回)地球惑星科学の華:極域の科学
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061129_1.htm

○第4回こころの未来セミナー 『前頭連合野における情報の表象と処理』
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061129_3.htm

○公開講演会 『地球の気候の移り変わり』のご案内
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061202_1.htm

○第5回こころの未来セミナー 『発達脳の可塑性とそのメカニズム』
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061206_1.htm

○「知識社会基盤構築のためのサイエンスライティング講座 II」@京大吉田キャンパス 2006
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061027_1.htm

○第74回公開研究会 京都大学の考えるこれからの情報教育
  http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061216_1.htm

 >>その他のイベント情報はこちらをご覧ください。
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