分子の吸着状態を「記憶」し「消去」するナノ細孔物質を発見-メゾ領域で多孔性構造体の柔剛を制御-
用語解説
多孔性構造体
多数の微細な孔を持つ物質。吸着材、分離材や触媒などに利用される。
メゾスコピック領域
ナノとマクロの間(主に数ナノメートルから数百ナノメートル)の領域。分子は大きくても数ナノメートルであり、一方、細胞などの機能はマクロ領域で発現する。その中間に存在するメゾスコピック領域は、生命現象の理解や結晶中における分子の「協同的な」動きといった様々な分野の研究に重要とされる。メゾ科学は、幹細胞(ES/iPS細胞など)研究と並び、iCeMSのキーコンセプトとなる。2011年以降、米国エネルギー省(DOE)がメゾ科学の可能性を探るため(※A)、DOE諮問委員会での議論(※B)と報告書(※C)の公表、専用ポータルサイトの立ち上げ、複数の国際会議での発表などを実施し(※D)、これまで以上の注目が集まっている(※E)。
- ※A http://science.energy.gov/' >http://science.energy.gov/~/media/bes/besac/pdf/Charge_2011.pdf
- ※B http://science.energy.gov/bes/besac/meetings/
- ※C http://science.energy.gov/~/media/bes/pdf/reports/files/OFMS_rpt.pdf
- ※D http://www.meso2012.com/town_halls/
- ※E http://www.meso2012.com/in_the_news.html
形状記憶
元の形にある操作(圧力、温度など)をして形を変形し、その操作後も変形した形を維持する。さらに、別の操作(温度、光など)をすると、元の形に戻る現象。
サイズ効果
物質のサイズにより機能が変わる現象。金、半導体などがサイズ効果を示すことで知られている。
多孔性金属錯体(PCPもしくはMOF)
金属イオンと有機物がジャングルジム状に組み上がった金属錯体結晶。本質的に内包するナノサイズの細孔を利用した、ガス貯蔵・ガス分離・触媒・センサーなどの幅広い分野での応用が期待されている化合物群。