輝け!京大スピリット 体育会ラグビー部 - 京都大学広報誌『紅萠』

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輝け!京大スピリット

2023年春号

輝け! 京大スピリット

新章開幕!創部100年の年に挑む新境地

体育会ラグビー部
主将 渡邊将太さん(経済学部4回生)

1910年、下鴨神社、ただす の森の馬場。旧制第三高等学校と慶應義塾の学生が一緒に練習し、関西で初めてラグビーボールが蹴られたという。この史実に端を発する京都大学ラグビー部の歴史。2022年は創部100周年だ。

 記念すべき年の主将を務める渡邊将太さん。体格の良さを武器に活躍し、2022年度には関西大学ラグビーBリーグのベスト15に選出されるなど、チームの攻撃の要を担う。ラグビーは1チーム15人、計30人がボールを奪い合いながら相手チームのゴールを目指して進撃するスポーツ。渡邊さんを夢中にさせるのは「自由度の高さ」。「前進の方法は、パスでもキックでも、ぶつかって走り抜けてもいい。個性を生かした自由な発想でプレーできるんです」。パスやキックが苦手でも、タックルを究めて活躍する選手もいる。「一点の尖った人たちが集まれば、大きなうねりができる。正直、タックルでぶつかり合うのは怖いですが、仲間のためなら前進できるし、ぶつかれる。ここに人を夢中にしてやまない引力を感じます」。

創部100年の重みを感じながらも、チームが集中するのは〈今〉。強豪校ひしめく「関西大学ラグビーAリーグ」への35年ぶりの昇格を目指して突き進んできた。「入部当初からの夢でしたが、あまりに高い目標で口にするのもはばかられるほどでした。転機は2021年度に掲げた『岐路』というスローガン。この旗のもとに『本気で上を目指す』とチーム全体が腹を括ったんです」。

練習開始は授業が終わる18時以降。指導者はおらず、部員自身で練習内容を計画する。ともすれば障壁になるこの点を渡邊さんは強みに変える。「なぜこの練習が必要か、これで何を強化するのか、部員それぞれが頭で理解して挑みます。プレーは熱く、頭はクールに」。言われたままに動くのはご法度。先輩から後輩に練習の意図を問いかけるなど、練習中にも考える時間を積極的に設ける。「自然と生まれた合言葉が『やったろや』。不利な状況で発揮される反骨精神がチームの士気の源です」。

取材の2日前に、リーグの入れ替え戦出場を懸けた一戦を終えた。万全の準備で挑むも黒星を喫し、「部にリーグ昇格という財産を」という渡邊さんの夢は破れた。足元を見つめ、悔しげな表情を見せる。「でも、負けた時はいつも以上にラグビーへと突き動かされる気持ちが強くなるんです」。その言葉通り、グラウンドにはお互いに声を掛け合い、晴れやかな顔で練習に励む部員の姿。「もっと上」を見据え続けた渡邊さんの揺るぎない信念は、部員の闘志の中に息づいている。ラグビー部の新たな100年が始まる。

年間試合数は、練習試合も含めて約30試合。2022年は東京大学との定期戦を創部100周年記念試合として開催。京都大学が勝利を飾った。京都大学ラグビー部創部100周年と京都大学創立125周年の記念行事として、2023年にはオックスフォード大学を招き、「京都大学丸和運輸機関ラグビーフィールド」で交流試合を予定

宇治キャンパス近くのグラウンドで練習に励む。天然芝グラウンドと人工芝グラウンドの2つを備え、2021年には京都大学創立125周年記念事業の一環で「京都大学丸和運輸機関ラグビーフィールド」として整備。天然芝の整備は部員とOBとが協力して行っている

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