災害リスクの伝え方で脳の反応に違い―洪水の仮想体験CG動画と洪水ハザードマップを比較―

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概要

 平常時に災害の危険を実感することは難しいものです。近年、コンピュータグラフィック(CG)動画やVR・ARを用いた災害の体験型情報により、その危険を実感してもらう取り組みが広がり始めています。しかし、従来の地図やグラフを用いた記述型の情報伝達と比較して、それらの効果がどのように違うのかについては十分に明らかにされていません。京都大学防災研究所の藤見俊夫准教授、ATR-Promotions脳活動イメージングセンタの河内山隆紀研究員、理化学研究所の佐藤弥チームディレクターらの研究グループは、洪水の危険性をCG動画と地図で伝えた場合で、脳の反応に違いが生じることをfMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた実験で明らかにしました。洪水に関連した反応は、洪水CG動画では視覚や身体感覚に関わる領域と危険の検出や感情の働きに関わる扁桃体で、洪水地図では記号や空間情報の処理に関わる前頭・頭頂領域で、相対的に強く現れました。本成果は、CG動画による危険性の「実感」と、ハザードマップによる危険性の「理解」を組み合わせることが、効果的な情報提供につながる可能性を示しています。本成果は国際学術誌「NeuroImage」に掲載されました(オンライン掲載日:2026年9月23日)。

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洪水リスクの伝え方による脳の反応の違い(出典:Fujimi et al., 2026、CC BY 4.0、改変)

研究者のコメント

「災害の危険を知識として理解することと、自分の身に起こり得る出来事として実感することは、どちらも大切です。今回の研究では、その違いを脳の反応から捉えようとしました。目指すのは、理解と実感をつなぐ情報提供です。今後、動画とハザードマップの長所を生かし、一人ひとりが適切な備えや避難を考えられる伝え方を探っていきたいと思います。」

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1016/j.neuroimage.2026.122253

【書誌情報】
Toshio Fujimi, Takanori Kochiyama, Wataru Sato (2026). Distinct neural networks for experiential and descriptive representations of natural hazard risk. NeuroImage, 341, 122253.

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