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本庶 佑

本庶 佑 教授が日本学士院会員に選ばれる

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本庶 佑 教授

本庶佑教授は、昭和41年京都大学医学部を卒業、昭和46年本学大学院医学研究科博士課程を終え、米国カーネギー研究所およびNIHにおける博士研究員を経て、昭和49年東京大学医学部栄養学教室助手に採用され、昭和54年大阪大学医学部遺伝学教室教授となりました。昭和59年に京都大学医学部医化学教室第一講座(のちの本学大学院医学研究科分子生物学)の教授と就任しました。平成17年3月に退職、引き続き京都大学医学研究科寄附講座免疫ゲノム医学の教授として研究を継続中です。また平成16年4月から、日本学術振興会学術システム研究センター所長を併任され日本の科学研究費の配分システムの改革に取り組んでいます。

無数の病原体を認識排除するためBリンパ球は、多様な抗体分子を産生する。その分子メカニズムは長らく免疫学の大きな謎でありました。1970年代後半から分子生物学的手法を用いてその解明が進み、抗体の多様性はBリンパ球がその遺伝子をDNAレベルで改変していく事により生み出される事が明らにしました。その中で本庶教授は、常に先駆的業績をあげてきた。特に抗原刺激を受けた成熟Bリンパ球で起こる2つの現象、クラススイッチ(産生する抗体のクラスがM型からG, E又は A型に変化する)と体細胞突然変異(免疫応答の進展に伴い抗体可変領域遺伝子に変異が導入され、より高い親和性を持つ抗体を産生し得る様になる)に関する研究では、当初から世界をリードしてきました。1978年に抗体重鎖定常部領域遺伝子がクラススイッチと連動して欠失する事を発見し、これに基づきクラススイッチ組換えはDNAの環状欠失モデルで説明しうると提唱、さらにそれを実験的に証明しました。80年代半ばには、クラススイッチの誘導制御因子として IL-4とIL-5を同定しました。さらに特筆すべきは、Activation-induced cytidine deaminase (AID)を発見し、AIDがクラススイッチ組換えと体細胞突然変異を制御する遺伝子である事を示しました。これまで全く違う現象であると考えられていたクラススイッチ組換えと体細胞突然変異を、1つの分子AIDが司るという発見は、免疫学の長年の謎を解明したものであり国際的にも高い評価を受けています。

これら一連の研究に対して、同教授には、朝日賞、木原賞、武田医学賞、ベーリング北里賞、上原賞、ほか多数の賞が授与されました。さらに平成8年に恩賜賞、学士院賞が同教授に授与され、平成12年には文化功労者に選ばれました。これまでに米国免疫学会名誉会員、米国科学アカデミー外国人会員、ドイツ自然科学者アカデミー・レオポルディナ会員に選出されています。今回の学士院会員への選出は、これまでの同教授の一連の業績が評価されたものです。

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