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総合博物館 平成24年度特別展「クニマスと共に-過去から未来へ-」を開催中(2012年11月5日)

 総合博物館では、10月31日から12月16日まで、特別展「クニマスと共に-過去から未来へ-」を開催しています。

 クニマスは70年の時を越えて生還し、原産地の秋田県田沢湖から1935年に山梨県西湖に移植されたものが命をつないでいました。田沢湖ではクニマスは人々の生活を支える大切な魚で、漁業としてクニマスをとっていましたが、とり過ぎないように管理する組合がありました。また、人工孵化もおこなわれており、人々と共に生きていました。それが、発電と灌漑のために水質をかえてしまい、クニマスは田沢湖から姿を消しました。クニマスは現在のところ西湖にしかいません。正体がわかってしまった後、どのように接していけばいいでしょうか。

 また、クニマスの保全にもっとも大切なことがあります。産卵場の湧水を守ることです。この水脈を断てばクニマスは産卵することができず、再び絶滅します。

 同展では、西湖でのクニマスに関する最新の研究を紹介します。クニマスの標本では産卵期の典型的な特徴をもった雄と雌は山梨県以外では初公開、黒くない若魚は世界で初めての公開です。発見時の産卵期の雄と雌は小さくて典型的なクニマスの特徴を示していませんが、それも展示しています。これらの他に山梨県水産技術センターで行った人工交配によって生まれたクニマス稚魚の標本、そして、大正時代の田沢湖クニマス9個体も展示しています。さらに、警告の意味で本栖湖のクニマスとヒメマス交雑個体を展示しています。現在、純粋クニマスは西湖だけです。

 今回の展示は「戦前の田沢湖クニマス文献(1907~1925年)」、「戦前の田沢湖でのクニマスと人々(1940年まで)」、「田沢湖での絶滅(1934~1948年)」、「戦前のクニマス移植履歴(西湖、本栖湖、野尻湖)(1929~1935年)」、「クニマス探しから西湖での発見(1978~2010年)」、「クニマス保全と里帰りの課題(現在~未来)」の六つのコーナーに分けています。それぞれ、オリジナル文書を展示していますので、クニマスが人といかに関わってきたかを実感していただけます。また、展示場の床には田沢湖と西湖の地図を同一縮尺で貼り付けていますので、上に立って二つの湖のサイズを実感できます。

 さらに、西湖でのクニマス産卵場の地下水脈がわかるようにしたジオラマを展示しています。産卵場にとって地下水脈は生命線であり、この大切さを知ることができます。人とクニマスの関わりを過去、現在、そして未来へ向けて考えていただくための特別展です。

 なお、クニマス講演会を開催期間中の11月24日(土曜日)13時30分から総合博物館で開催します。


特別展「クニマスと共に-過去から未来へ-」へようこそ

中坊徹次 総合博物館教授の説明(内覧会)

展示会場の様子(西湖産クニマスの標本)

展示会場の様子(田沢湖と西湖の地図)
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