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山中伸弥 iPS細胞研究所長・教授がノーベル生理学・医学賞を受賞 (2012年10月8日)

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山中伸弥 iPS細胞研究所長・教授の主な業績

  1. ノックインマウスの線維芽細胞を用いた多能性誘導アッセイ系により、候補因子の中から4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)の導入で、ES細胞と形態、機能が近似した人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell)が樹立できることを見出した。(2006年8月発表 Cell)
    [DOI] http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2006.07.024
  2. レトロウイルスによる遺伝子導入効率を向上させる工夫の上、マウスと同じ遺伝子セットを用いて、ヒト皮膚の初代培養線維芽細胞からヒトiPS細胞の樹立に成功した。そして、ヒトiPS細胞はヒトES細胞に類似した形態、機能を示した。(2007年11月発表 Cell)
    /notice/05_news/documents/071121_11.htm
    [KURENAIアクセスURL] http://hdl.handle.net/2433/49782
  3. レトロウイルスでゲノムに導入されたc-Myc遺伝子の再活性化によりキメラマウスに腫瘍が発生することが分かり、臨床への応用における課題とされた。しかし、iPS細胞樹立法を改良することでc-Mycを用いず3因子だけでマウスおよびヒトの線維芽細胞からc-Mycを用いずにiPS細胞を樹立することに成功し、安全面での課題を回避出来る可能性を示した。このことで、今後の細胞移植治療への応用、病因の究明や薬剤の毒性評価等を可能とした。(2007年11月発表 Nature Biotechnology)
    /notice/05_news/documents/071201_1.htm
    [DOI] http://dx.doi.org/10.1038/nbt1374
  4. マウス体細胞でウイルスベクターを用いずにiPS細胞を樹立することに成功した。従来、iPS細胞は1)の4因子をそれぞれレトロウイルスベクターで体細胞に導入して作製してきた。しかし、この方法ではゲノムへのc-Mycレトロウイルスベクター挿入に起因する腫瘍形成の課題があり、c-Mycを用いずに作製されたiPS細胞においても危惧は完全に払拭されたわけではなかった。今回は、レトロウイルスの代わりにプラスミドベクターを使ってiPS細胞の樹立に成功した。調べた範囲では、プラスミドベクターはゲノムには挿入されていなかった。この成果はiPS細胞を臨床応用する上で必須となる、安全性確保の点で大きな前進をもたらした。(2008年10月発表 Science)
    /ja/news_data/h/h1/news6/2008/081001_1.htm
  5. 慶應義塾大学との共同研究において、マウスiPS細胞を樹立する際に用いる体細胞の種類によって、移植したマウスの腫瘍発生に差がみられることを確認した。マウスの胎仔線維芽細胞、成体の尾部由来線維芽細胞、肝細胞、胃上皮細胞や成体の胃の細胞から、36種類のiPS細胞株を作製し、それらを神経前駆細胞に分化誘導させマウスの脳に移植した。腫瘍発生の確率は、胎仔線維芽細胞や胃の細胞由来のものでは低率で、肝臓の細胞では中率、尾部由来線維芽細胞では高率だった。この研究成果は、iPS細胞樹立に用いる体細胞の種類が重要であることを示している。(2009年7月発表 Nature Biotechnology)
    /ja/news_data/h/h1/news6/2009/090710_2.htm
    [DOI] http://dx.doi.org/10.1038/nbt.1554
  6. がん抑制遺伝子p53の発現抑止により、4因子のレトロウイルス導入でマウスiPS細胞の樹立効率が20%に、c-Mycを除く3因子の場合でも10%に改善することを確認した。またp53の発現抑制でレトロウイルスを用いたヒトiPS細胞、プラスミドを用いたマウスiPS細胞の樹立効率がともに改善した。さらに、p53遺伝子を欠損させた場合は、終末分化したTリンパ球(T細胞)からもマウスiPS細胞の樹立に成功した。網羅的遺伝子発現解析により、マウスとヒトで共通のp53関連遺伝子を同定し、それらの機能解析を行うことにより、p53-p21経路が細胞のがん化抑制のみならず、iPS細胞樹立においても抑制弁として機能していることを見出した。(2009年8月発表 Nature)
    /ja/news_data/h/h1/news6/2009/090810_2.htm
    [DOI] http://dx.doi.org/10.1038/nature08235
  7. 新生児または成人から提供された皮膚線維芽細胞を自己フィーダー細胞として用いてヒトiPS細胞を樹立し、培養できることを見出した。作製されたiPS細胞は正常な核型を示し、分化多能性があることも確認している。従来、マウス線維芽細胞をフィーダー細胞として用いてヒトiPS細胞を樹立、培養してきたが、本研究結果は、ヒト皮膚線維芽細胞はiPS細胞の資源になると同時に、フィーダー細胞として利用可能であることを示唆している。また、自己フィーダー細胞を用いることにより、未知の病原体等を含有する可能性のある動物性フィーダー細胞を用いることを回避できることを示したもので、臨床応用水準のiPS細胞の作製方法の確立に貢献するものと考えられる。(2009年12月発表 PLoS One)
    /ja/news_data/h/h1/news6/2009/091202_1.htm
    [DOI] http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0008067
  8. MycファミリーによるiPS細胞誘導のメカニズムを詳細に解析し、MycファミリーのひとつであるL-Mycが、c-Mycよりも効率よくiPS細胞を誘導することを見出した。また、L-Mycを用いて作製したiPS細胞由来のキメラマウスではほとんど腫瘍形成が起こらないことを見いだした。効率の良いiPS細胞の誘導および低い腫瘍原性から、iPS細胞技術を臨床応用に用いる際にL-Mycの使用が有用であると考えられる。(2010年7月発表 Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America)
    /ja/news_data/h/h1/news6/2010/100727_1.htm
    [KURENAIアクセスURL] http://hdl.handle.net/2433/123272
  9. エピソーマル・プラスミドを遺伝子導入に用い、6つの因子を線維芽細胞に導入し、細胞のゲノムに外来遺伝子挿入のないヒトiPS細胞を効率よく樹立した。また、上記方法で、日本人の約20%への移植適合性を示すHLA3座ホモの歯髄細胞2株から、外来遺伝子の挿入のないiPS細胞の樹立に成功した。さらに、ドーパミン神経細胞や網膜色素上皮細胞に分化できることも確認した。今回開発した方法は、将来期待されている細胞移植治療に利用可能なiPS細胞を樹立する際に有効な方法になりうると考えられる。(2011年4月発表 Nature Methods)
    /ja/news_data/h/h1/news6/2011/110404_1.htm
    [KURENAIアクセスURL] http://hdl.handle.net/2433/139494
  10. 卵細胞で強く発現する転写因子Glis1を用いることで、従来の方法に比較して非常に効率よくiPS細胞を誘導できることを、産業技術総合研究所と共同研究で明らかにした。 同時に、Glis1には初期化が不完全なiPS細胞の増殖を抑制し、完全に初期化したiPS細胞のみが増殖するようにする働きがあることを示した。また、Glis1が初期化を促進する機構についても詳細な解析を行った。今回発見された転写因子Glis1は効率よく良質なiPS細胞だけを誘導することから、将来の臨床応用にGlis1が有用であることが考えられる。(2011年6月発表 Nature)
    /ja/news_data/h/h1/news6/2011/110609_1.htm
    [KURENAIアクセスURL] http://hdl.handle.net/2433/141930
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