デニ・ルビアン医学研究科客員教授が本田賞を受賞しました。(2012年9月27日)

デニ・ルビアン医学研究科客員教授が本田賞を受賞しました。(2012年9月27日)

 医学研究科附属脳機能総合研究センター外国人客員教授でフランスのニューロスピン超高磁場MRI研究センター所長のデニ・ルビアン博士(Denis Le Bihan)に2012年本田賞が授与されることとなりました。

 同賞は、公益財団法人 本田財団が、エコテクノロジーの観点から、次世代の牽引役を果たし得る新たな知見をもたらした個人またはグループの努力を評価し褒賞する国際賞です。今回の受賞は、急性脳梗塞診断のために世界中で使用されている拡散MRI技術を確立したことが評価されたものです。

 授賞式は、2012年11月19日に東京の帝国ホテルで行われます。

 以下に、同客員教授の略歴、業績等を紹介します。

 パリ大学にて1984年医学博士、1987年物理学博士号を修了後、1987年米国国立衛生研究所診断研究部門主任、1991年ジョージワシントン大学放射線科臨床准教授、1999年フランス・オルセーCEAフレデリック・ジョリオ勤労病院解剖学・機能的神経画像研究所長等を経て、現在は、2000年フランス連邦脳機能画像研究所所長、京都大学医学研究科附属脳機能総合研究センター脳機能画像領域客員教授、フランス・ニューロスピン(NeuroSpin)超高磁場MRI研究所長となり、現在に至っています。

 ルビアン客員教授は、拡散MRI(核磁気共鳴画像法)技術の基礎から臨床応用までを医学的かつ科学的に確立した先駆者で、革新的な画像技術からMRIの世界的普及に貢献。当該研究は、静脈に薬剤を注入する血栓溶解療法の導入とあいまって、治療が有効な急性脳梗塞発症後数時間以内の診断時間を大幅に短縮させる等、診療活動に多大な貢献をしています。同時に、拡散MRIが提供する鮮明な画像により、診断精度も向上し、手術前に腫瘍切除の範囲決定が可能となることで、手術時に身体機能関連の脳繊維を損傷してしまう事故数を激減させました。

 なお、これらの研究に対して、2001年磁気共鳴医学国際協会の金賞、2003年全米科学アカデミーおよび仏科学アカデミーのランズベリー賞等、数々の賞を受賞し、またフランスNational Order of Merit騎士の称号を受けています。