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佐藤文彦 生命科学研究科教授、熊谷英彦 名誉教授および坂口志文 再生医科学研究所客員教授が日本学士院賞を受賞(2012年3月12日)

※ 受賞者紹介記事を追加しました。(2012年3月19日)

 このたび、佐藤文彦 生命科学研究科教授、熊谷英彦 名誉教授および坂口志文 再生医科学研究所客員教授が第102回(平成24年)日本学士院賞を受賞することになりました。日本学士院賞は、学術上特に優れた研究業績に対して贈られるもので、日本の学術賞としては最も権威ある賞です。

 授賞式は平成24年6月に東京で行われる予定です。

佐藤文彦 生命科学研究科教授および熊谷英彦 名誉教授


佐藤教授

熊谷名誉教授

 佐藤教授は、昭和28年生まれ、京都大学大学院農学研究科博士課程中退後、同大学農学部助教授、同教授、同大学院農学研究科教授を経て、平成11年4月より現在まで同大学院生命科学研究科教授を務めています。専門は、植物細胞分子生物学です。

 熊谷名誉教授は、昭和15年生まれ、京都大学大学院農学研究科博士課程修了後、同大学農学部助教授、同教授、同大学院農学研究科教授、同大学院生命科学研究科教授を経て、平成16年4月京都大学名誉教授の称号を受け、平成16年4月より石川県立農業短期大学教授、石川県立大学教授、平成23年石川県立大学名誉教授の称号を受け、平成23年4月より現在まで、同大学特任教授を務めています。専門は応用微生物学です。

 植物の二次代謝産物は医薬や香料など様々な用途がありますが、生産力、品質のばらつき、資源の確保など多くの問題があります。佐藤教授と熊谷名誉教授は、微生物の力を利用し、植物の代表的二次代謝産物であるイソキノリンアルカロイドの微生物生産に世界で初めて成功しました。佐藤教授は薬用植物であるオウレン等から、イソキノリンアルカロイドを高産生する培養細胞を確立し、イソキノリンアルカロイドの生合成を司る多くの酵素の働きを明らかにし、それら遺伝子を単離しました。熊谷名誉教授はイソキノリンアルカロイドの合成に必要な芳香族アミノ酸とアミンの代謝を多数の微生物について解析し、バクテリアによるイソキノリンアルカロイド生合成の基盤を確立しました。そして、佐藤教授がオウレンから単離したイソキノリンアルカロイド生合成の遺伝子と熊谷名誉教授が発見したイソキノリンアルカロイドの前駆物質の生産に必要な遺伝子を大腸菌に導入し、ブドウ糖を唯一の炭素源とする培養によってイソキノリンアルカロイド生合成の要であるレチクリンの生産に世界で初めて成功しました。この業績は、高等植物と微生物の代謝系を融合して微生物による植物二次代謝産物の実用生産に新たな道を拓いたものであり、代謝工学の新分野の発展に極めて重要な貢献をしました。同時に、生産性や資源確保に問題の多い有用二次代謝産物の今後の安定供給に新手法を提供したもので、その社会的意義も大きいといえます。

坂口志文 再生医科学研究所客員教授

 坂口教授は、昭和51年3月京都大学医学部卒業、同年同大学院医学研究科に進学、同58年11月京都大学医学博士の学位を授与されました。京都大学医学部卒業後は、同医学部附属病院医員等を経て、米国Johns Hopkins 大学、Stanford大学、Scripps研究所の教員、研究員を歴任の後、平成4年3月新技術事業団「さきがけ研究」専任研究員、同7年4月東京都老人総合研究所免疫病理部門長、同11年2月京都大学再生医科学研究所教授、同19年10月同所長、同23年4月WPI大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授に就任するとともに、京都大学再生医科学研究所客員教授として現在に至っています。

 今回の受賞は、「制御性T細胞による免疫応答制御」によるものです。免疫系は、ウイルスや細菌に対して反応しますが、正常な自己組織に対して反応し、これを傷害することはありません。正常自己抗原に対する免疫不応答、即ち、免疫自己寛容が、正常個体でどのように確立され、どのように維持されるかは現代免疫学、医学の重要解決課題でした。坂口教授は、免疫自己寛容、免疫制御の重要な機序として制御性T細胞(Regulatory T cell)を発見し、それが異常、過剰な病的免疫応答を抑制していること、制御性T細胞の発生異常、機能異常は様々な免疫疾患の原因となることを世界に先駆けて明確に示しました。また、制御性T細胞の発生機構、抑制機能を、細胞、分子レベルで解明しました。同時に、制御性T細胞を操作することで、自己免疫病、アレルギーなどに対する疾患制御法、移植臓器に対する免疫寛容導入法、癌細胞に対する免疫応答の誘導法の開発に大きな成果を挙げてきました。

関連リンク

受賞理由等詳細は、日本学士院のホームページを参照してください。

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