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庄垣内正弘 名誉教授および望月拓郎 数理解析研究所准教授が日本学士院賞を受賞(2011年4月12日)

  このたび、庄垣内正弘 名誉教授および望月拓郎 数理解析研究所准教授が第101回(平成23年)日本学士院賞を受賞することになりました。日本学士院賞は、学術上特に優れた研究業績に対して贈られるもので、日本の学術賞としては最も権威ある賞です。

庄垣内正弘 名誉教授(文学研究科)

  庄垣内名誉教授は、昭和17年生まれ(68歳)、京都大学大学院文学研究科博士課程退学後、神戸市外国語大学助教授、同教授、京都大学大学院文学研究科教授を経て、平成18年4月京都大学名誉教授の称号を受け、平成18年4月より現在まで京都産業大学客員教授を務めています。専門は、言語学です。
  受賞の対象となったのは、2008年に刊行された『ウイグル文アビダルマ論書の文献学的研究』に代表される、古代チュルク語で書かれた文献に対する一連の言語学的な研究です。庄垣内名誉教授は、とりわけモンゴル時代に草書体のウイグル文字で書かれた数多くのウイグル語仏典を解読し内容を明らかにされただけでなく、そこに含まれる借用語などから、ウイグル語の言語接触の実態も解明されました。この分野では名実ともに世界随一の研究者として内外によく知られています。

 受賞理由等詳細は、日本学士院のホームページを参照してください。

望月拓郎 数理解析研究所准教授

 望月准教授は、平成6年3月京都大学理学部を学部3年次大学院入学のため中退、同11年3月同大学院理学研究科博士課程修了、同年4月大阪市立大学理学部助手に就任、同16年4月京都大学大学院理学研究科助教授、同20年5月同数理解析研究所准教授となり現在にいたります。
  今回の受賞は、「純ツイスターD加群の研究」によるものです。純粋数学には、大きく分けて代数・幾何・解析という三つの分野があり、代数においては多項式、幾何では空間もしくは図形、解析では偏微分方程式が、主たる研究対象です。多様体とよばれる、曲がった空間の上で、線形偏微分方程式の構造を代数的な手法を用いて調べる代数解析学は、数理解析研究所で長年に亘って研究されてきた現代数学の中心課題の一つであって、代数・幾何・解析という数学の分野が絡み合う、極めて深いものであるとされています。純ツイスターD加群は、中でも、代数多様体とよばれる、多項式=0で表される空間の上で、偏微分方程式を調べる研究の中で発見された新しい概念です。
  代数多様体は、一般の空間(多様体) の中で、他とは異なる特徴的な幾何学的性質を持っていることが、20世紀中ごろからの研究の中で明らかにされてきており、代数的な構造が幾何学的な構造に影響を及ぼしているのだと考えることができます。
  望月准教授は、純ツイスターD加群の研究を展開し、その応用として、偏微分方程式系に関する半単純と呼ばれる性質が、いろいろな操作で保たれるという柏原予想を証明しました。半単純という性質は、偏微分方程式が簡単な構造を持っているということを意味するもので、それが操作のあとでも保たれているということは大きな驚きであり、代数的な構造が解析的な構造にも大きな影響を及ぼしていることを表すものです。
  このように「純ツイスターD加群」の新しい理論は現代数学の大きな成果であると考えられ、今後さまざまな応用があることが期待されています。

 受賞理由等詳細は、日本学士院のホームページを参照してください。

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