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土曜講義:“「京都学派」の伝統と可能性”を開催しました。(2010年3月13日・27日)

 2009年9月の東京オフィス開所以降、10月から12月の毎月、計3回の開所記念イベントを開催しましたが、それに加えて、このたび“「京都学派」の伝統と可能性”と題して、文学研究科の藤田正勝教授を講師とした土曜講義を3月13日(土曜日)、27日(土曜日)の全2回開催し、合わせて約100名の参加がありました。

 3月13日(土曜日)の冒頭には、大西有三 理事・副学長より挨拶があり、東京オフィスや今回の土曜講義についての説明があった後、「西田幾多郎とその弟子たち」と題した藤田教授の講演へと続きました。

 藤田教授はまず、今回の「土曜講義」というタイトルから、戦前に京都大学で(あるいは日本で?)初めて行った公開講座「月曜講義」のことを想起した旨を述べました。また、その月曜講義の第1回目は西田幾多郎が行ったものであること、その講演は、後に「日本文化の問題」という題で岩波新書の一冊として出版され、広く読まれたことを紹介しました。

 次に、西田幾多郎や、彼に影響を受けたり、与えたりした同僚や弟子たち(田辺元や九鬼周造、西谷啓治など)、いわゆる「京都学派」の研究について、最近は日本だけでなく、海外でも研究が進んでおり、“無”ないし“絶対無”を中心に置いた哲学として脚光を浴びていることを紹介しました。また西田の弟子には三木清・戸坂潤などマルクス主義の立場に立った者や、森本省念や久松真一のように禅の道に進んだ者、下村寅太郎や三宅剛一のように科学哲学や数理哲学を研究した者もいたことなど、西田をめぐる多彩な人間関係を紹介しました。

 翌週3月27日(土曜日)の冒頭には、阿辻哲次 外部戦略担当理事補より挨拶があった後、「京都学派の哲学から受け継ぐもの」と題して藤田教授の講演が続きました。

 藤田教授は、「京都学派」と呼ばれた集団のさまざまな特徴について紹介し、とくに主体的な思索を重視した点に、その最大の特徴があることを説明しました。その後、西洋の哲学との違いをクローズアップし、西洋の哲学と東洋の哲学の相違について分かりやすい説明がありました。また、西田の弟子のひとりであり、京都大学初の公開講座「月曜講義」の企画者であった天野貞祐を取りあげ、彼が時流に流されず、自由を大切にし、つねに自身の信念に基づいた行動をとったことも、本学の伝統の形成に大きく与ったのではないかという意見を述べました。

 両日の講義を通じて藤田教授は、西田の周りの多くの同僚や弟子たちが相互に影響を与えながら様々な分野で活躍したこと、そういう意味で「京都学派」とは、西田・田辺を中心に形成された“密接な人間関係”を基礎とした“知的ネットワーク”であったことを強調しました。

 両日とも講演終了後には参加者とのディスカッションを行い、参加者からは、現在の文学部における哲学教育の現状や西田の思想そのものについての質問が寄せられ、活発な講演会となりました。


大西理事・副学長挨拶

阿辻理事補挨拶

講演する藤田教授

会場の様子

 

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