シンポジウム「第2回サービス・イノベーション国際シンポジウム」を開催しました。(2009年11月13日)

シンポジウム「第2回サービス・イノベーション国際シンポジウム」を開催しました。(2009年11月13日)

 経営管理大学院は、芝蘭会館において、文部科学省サービス・イノベーション人材育成推進プログラムの一環として「第2回サービス・イノベーション国際シンポジウム」を開催しました。

 当日前半では、成生達彦 院長からの開催趣旨説明のあと、原良憲 教授から、来年度開設予定の「サービス価値創造プログラム」の概要を紹介しました。基調講演Iでは、永塚誠一 経済産業省製造産業局次長から「我が国経済の現状と課題」として、我が国が得意とする高度な技術に運営・管理や部品製造なども組み合わせ、一貫したビジネスとして提案できるインテグレーターを育成することなどが提案されました。それに続く基調講演IIでは、ジェシー・G・シン 住友スリーエム社社長から「Leveraging lean and localization to create value for the customer」として、「カイゼン」活動などで示された日本の生産性を、顧客にとって、より価値を生むために展開・統合する方向性などが示されました。基調講演I・IIの司会を担当した小林潔司 教授からは、サービスもパッケージ化して国際化を目指せること、そうした夢を描いてそれを実現していく姿勢などが強調されました。

 後半はパネル討論で、「関西(京都・大阪)からサービス価値創造を」をテーマとして、樋爪保 合同会社きょうと情報カードシステム(KICS-LLC)総務委員会委員長、原田紀久子 特定非営利活動法人アントレプレナーシップ開発センター理事長、中川正隆 大阪商工会議所経済産業部長の3名を招きました。前川佳一 准教授のコーディネートのもと、たとえば非常にユニークで先進的なモデルであるKICS-LLCのビジネスを他の地域に展開できるのか、また、どのようにといった観点から討論が繰り広げられました。

 結びとして日置弘一郎 教授からは、この日の講演や議論の内容を踏まえ、サービスの生産性という概念を捨ててしまうことで、よりサービスの本質に迫るといった試みも含めて、教育プログラム開発を進めるという意思表明が行われました。

 当シンポジウムへは、多種多様な産業・学術分野から大勢の参加者が集まり、そのほとんどの方が前・後半を通して熱心に聴講し、また質疑に活発に参加していました。参加者からは、本学の「サービス価値創造マネジメント」教育プログラムが掲げる「文理融合型アプローチ」ならではのバラエティに富んだ内容であった、などと好評を博しました。


永塚経済産業省製造産業局次長

ジェシー・G・シン住友スリーエム社社長

パネル討論