「サービス・イノベーション国際シンポジウム」を開催しました。(2008年11月14日)

「サービス・イノベーション国際シンポジウム」を開催しました。(2008年11月14日)


パネル討論II

 京都大学経営管理大学院では、文部科学省サービス・イノベーション人材育成推進プログラムの一環として、百周年時計台記念館にて「サービス・イノベーション国際シンポジウム」を開催しました。

 当日午前の部では、成生達彦院長からの開催趣旨説明と、吉田和男教授による本学「サービス価値創造マネジメント」教育プログラム取組の概要説明のあと、カリフォルニア大学バークレイ校のヘンリー・チェスブロウ教授から、「サービス分野におけるイノベーション」(Open Services: Innovating Value in the 21st Century)と題する基調講演がありました。製品開発の「オープンイノベーション」であまりにも有名なチェスブロウ教授ですが、サービス分野への理論展開も示唆に富み、理論に先行する現場としての産業界と連携しつつ、学術分野特有の貢献のあり方を志向すべきことなどが提言されました。

 午後の部はパネルセッションが二つ。パネル討論Iは「サービス価値創出の方法論」と題し、IBMアルマーデン研究所サービス・プラクティス部門のジーネット・ブロンバーグ氏と富士通株式会社経営執行役の宮田一雄氏とを招き、椙山泰生准教授のコーディネートのもと、日米双方のIT業界でのエスノグラフィを用いたサービス開発という、ユニークかつ最先端の試みが討議されました。

 パネル討論IIは「顧客接点とサービス価値創造」と題し、ハイアット・リージェンシー京都総支配人の横山健一郎氏と柊家旅館女将の西村明美氏とを招き、日置弘一郎教授のコーディネートのもと、グローバル展開する高級ホテルと京都の伝統的旅館とで、おもてなしの価値創造実践や人材育成がどのように共通し、どのように相違するのかなどが議論されました。

 結びとして原良憲教授から、登壇者をはじめ、共催、協賛、後援各団体への謝辞が述べられるとともに、今後の本学サービス・イノベーション人材育成カリキュラムの方向性や決意が表明されました。

 当シンポジウムへは、多種多様な産業・学術分野から大勢の参加者が集まりました。そのほとんどの方が朝から夕方まで熱心に聴講し、また質疑に活発に参加されていました。参加者には、本学の「サービス価値創造マネジメント」教育プログラムが掲げる「文理融合型アプローチ」ならではのバラエティに富んだ内容であった、など好評でした。