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新しい聴覚器機開発に関する研究

2011年10月25日

 医学部附属病院耳鼻咽喉科で行いました新しい聴覚器機開発に関する研究が、PNAS(米国科学アカデミー紀要)に掲載されました。

研究の概要

 中川隆之 医学研究科講師(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学、主任教授:伊藤壽一)らのグループは、川野聡恭 大阪大学大学院基礎工学研究科教授のグループと共同で、外部電源を要しない新しいタイプの人工聴覚器機(人工聴覚上皮)を開発しました。これまでの人工内耳では、外部の器機が音刺激を電気信号に変換し、内耳に挿入された電極を介して、聴神経を刺激する仕組みで聴覚再獲得がなされ、外部電源が必要でした。新しく開発された人工聴覚上皮は、振動刺激を電気信号に変換できる薄い膜からなり、自然に耳から入った音響刺激が内耳に挿入された人工聴覚上皮を振動させ、電圧を発生させ、聴覚が再生する仕組みとなっています。ただし、発生できる電圧は、現在のところ聴神経刺激には不十分であり、実用化には、さらなる改良が必要です。将来、バッテリーを必要としない超小型の人工聴覚器機への発展が期待され、米国科学アカデミー紀要に掲載されました。

関連リンク

  • 論文は以下に掲載されております。
    http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1110036108
  • 以下は論文の書誌情報です。
    Inaoka T, Shintaku H, Nakagawa T, Kawano S, Ogita H, Sakamoto T, Hamanishi S, Wada H, Ito J. Piezoelectric materials mimic the function of the cochlear sensory epithelium. PNAS 2011 ; published ahead of print October 24, 2011, doi:10.1073/pnas.1110036108

 

 

  • 京都新聞(11月9日 23面)に掲載されました。