遺伝子挿入のないヒトiPS細胞のより簡便な樹立法の開発

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用語解説

エピソーマル・プラスミド

環状DNAの一種。細胞の染色体には取り込まれずに、自律的に複製するプラスミド。

遺伝子導入ベクター

細胞などに目的の遺伝子を導入する際に利用する運び手の総称。導入するDNA断片の大きさや用途によって、ウイルスやプラスミド、人工染色体などを使い分けて用いられる。

iPS細胞

人工多能性幹細胞(iPS細胞:induced pluripotent stem cell)のこと。皮膚細胞などの体細胞に特定因子を導入することにより樹立される。胚性幹細胞(ES細胞)のように無限に増え続ける能力と体のあらゆる組織細胞に分化する能力を有する多能性幹細胞である。

HLA3座ホモ

HLAは細胞表面にあるタンパク質である。HLA-A, HLA-B, HLA-DRなど多数の遺伝子座があり、それぞれがさらに複数の型に分けられる。臓器移植などの際に、ドナーとレシピエントのHLA型が合わないと免疫拒絶反応が起こる。HLA-A, B, DRの3座の型がドナーとレシピエントで一致している場合は移植成績が良いことが知られている。通常、それぞれの遺伝子座について両親から一つずつ異なる型を受け継ぐが、両者が同一だった場合にホモと呼ばれる。本研究では、HLA-A, B, DRの3座について両親から同じ型を受け継いだと考えられる場合にHLA3座ホモとした。

ドーパミン神経細胞

神経細胞の一種。神経伝達物質としてドーパミンを放出する。多くのパーキンソン病では、中脳黒質にあるドーパミン神経細胞の変性が主な病理として知られている。

網膜色素上皮細胞

眼にある網膜の構成細胞の一つ。

転写因子

DNAに結合し、特定の遺伝子の転写量を調節する因子。

線維芽細胞

皮膚などから得られる細胞の一種。

p53 shRNA

shRNA(small hairpin RNA:小ヘアピンRNA) は、RNA干渉の性質を利用して目的の遺伝子の働きを抑制する際に用いるヘアピン型のRNA配列のこと。p53 shRNAは、p53遺伝子の働きを抑制する作用をもつ。

コロニー

細菌や培養細胞などの単一細胞に由来する細胞の塊。

ES細胞(胚性幹細胞)

胚性幹細胞(ES細胞:embryonic stem cell)のこと。ES細胞は受精後6、7日目の胚盤胞から細胞を取り出し、それを培養することによって作製される多能性幹細胞の一つで、あらゆる組織の細胞に分化することができる。しかし、受精卵を破壊する必要があり、患者自身の細胞から作製することが困難なため、免疫拒絶の問題が指摘されている。

NPO法人HLA研究所

移植医療への貢献を目的に活動している特定非営利活動法人。HLA(主要組織適合性抗原)及びその他の組織適合性抗原に関する研究・検査・相談業務を行っている。

自家移植と他家移植

移植の形式を示す。自家移植とは、ある個体の細胞や組織を、同一個体へ移植することを指す。一方、他家移植はある個体の細胞や組織を、別の個体へ移植することをいう。