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形質転換活性を欠損したMycによるリプログラミング促進効果-L-Mycを用いた効率的なiPS細胞の樹立-

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用語解説

iPS細胞

人工多能性幹細胞(iPS細胞:induced pluripotent stem cell)のこと。体細胞に特定因子を導入することにより樹立される、ES細胞に類似した多能性幹細胞。

転写因子

タンパク質合成は、DNA上の遺伝子を鋳型にメッセンジャーRNAが転写され、このメッセンジャーRNAが核外のリボソーム上で翻訳される過程で成り立っている。転写因子は、転写開始に関わる因子で、DNAに結合して働くものや因子間の相互作用によって機能するものがある。

Mycファミリー(Mycのファミリー遺伝子)

遺伝子ファミリーは、塩基配列の相同性が高い遺伝子群の総称。進化過程で重複してできた遺伝子と考えられている。Myc遺伝子は、核内DNAに結合して働く転写因子として知られ、がんを誘発する遺伝子のひとつで、ヒトでは、c-Mycの他にL-Myc、N-Mycが知られている。

形質転換

遺伝的な変化によって性質を変化させること。正常な細胞が無制限に分裂を行うようになる、つまりガン化すること。

初期化

分化した体細胞の核がリセットされ受精卵のような発生初期の細胞核の状態に戻り、多能性幹細胞などに変化すること。

線維芽細胞

結合組織を構成する最も主要な細胞。多くの臓器に存在する。何らかの損傷により組織に傷が生じると、この細胞が増殖し修復する。

レトロウイルスベクター

ベクターとは、細胞外から内部へ遺伝子を導入する際の「運び屋」を指す。ウイルス由来のベクターは、遺伝子導入効率の高さから盛んに開発されてきた。目的遺伝子をウイルスに組み込み、細胞に感染させることにより遺伝子を導入する。レトロウイルスベクターは、このウイルスベクターの1種類として確立されたもので、宿主の細胞に感染したあと、宿主のDNAのなかに入り込み、自らのウイルスを増殖させる性質を利用するものである。

ES細胞(胚性幹細胞)

胚性幹細胞(ES細胞:embryonic stem cell)のこと。ES細胞は受精後6、7日目の胚盤胞から細胞を取り出し、それを培養することによって作製される多能性幹細胞の一つで、あらゆる組織の細胞に分化することができる。しかし、受精卵を破壊する必要があり、患者自身の細胞から作製することが困難なため、免疫拒絶の問題が指摘されている。

キメラマウス

二対以上の親に由来する2つ以上の胚またはその一部からできた個体をキメラという。

N末端

タンパク質やポリペプチドは、アミノ基とカルボキシル基をもつアミノ酸が、隣り合うアミノ酸のアミノ基とカルボキシル基が結合して直鎖状につながったものである。この直鎖を形成する1番最初のアミノ酸は、カルボキシル基が2番目のアミノ酸のアミノ基と結合しているが、1番目のアミノ基は遊離している。この遊離したアミノ基(-NH2)にちなみ、タンパク質の最初の端をN末端と呼ぶ。一方、最終の端は、カルボキシル基(-COOH)にちなみ、C末端と呼ぶ。タンパク質はN末端から作製され、N末端にはこのタンパクの標的シグナルが含まれることもあり、タンパク質の働きに重要な役割を持っている。

コロニー

1つの細胞から増えた細胞集団のこと。時に異なる細胞が混ざることもあるが、それらから1つの細胞を取り出してさらにコロニー形成を繰り返すことで、同じ遺伝子をもつ細胞の集団を作製できる。

胚様体

EB(embryoid body)とも言われ、ES細胞やiPS細胞などを浮遊培養するとボール状の細胞塊を形成する。この状態で2 週間程度培養すると、様々な細胞種への分化が観察される。細胞の分化多能性を調べる一般的な方法の一つである。

奇形腫(テラトーマ)

ES細胞やiPS細胞を免疫不全マウスに注射すると、腫瘍を形成する。この腫瘍はテラトーマと呼ばれ、様々な種類の組織が混在している。テラトーマを観察し、様々な組織に分化していることを確認することは、細胞の分化多能性を調べる一般的な方法の一つである。

三胚葉

受精後の胚からできる細胞の塊で、内胚葉、中胚葉、外胚葉に分けられる。内胚葉は、その後消化器官や呼吸器官を形成する。中胚葉は骨、心筋、赤血球などに分化する。外胚葉は、神経や感覚器官を形成する。

核型

生物の染色体の数、大きさ、形態などによってあらわされる染色体の構成。

GFP発現レポーター

GFPは、Green fluorescent protein の略で、オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質。細胞内で目的タンパク質の発現を検知するのに使用される。GFP陽性ということは、GFPが発現していて蛍光色に光っていることを意味する。本論文では多能性幹細胞のマーカー分子であるNanog発現をGFP陽性で評価できるようにしている。

生殖細胞への寄与(ジャームライントランスミッション)

多能性幹細胞が生殖細胞系列へ分化し、多能性幹細胞由来の遺伝情報がキメラマウスなどを経て、次世代へ伝承されること。ジャームライントランスミッションの結果、iPS細胞が全身に寄与したマウスが生まれる。

DNAマイクロアレイ

一度に膨大な数のDNAやたんぱく質を網羅的に検査することができる解析技術。

 

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