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高齢者の転倒予防のための新しいエクササイズを発表-イメージキャラクターやロゴマークを京都精華大学との共同プロジェクトで制作

2010年6月16日

 医学研究科人間健康科学系専攻は高齢者の転倒予防に関する新しいエクササイズ(dual task能力向上プログラム)を開発し、京都精華大学との共同プロジェクトにおいて、広く社会に紹介するためのイメージキャラクターやロゴマーク、パンフレットおよびアニメーションを制作しました。今後高齢化社会における運動低下、転倒骨折による寝たきりの予防に取り組む研究を展開していきます。


記者会見の様子

エクササイズの風景

dual task遂行能力研究について

 高齢者において寝たきり、介護が必要になる大きな原因として運動能力低下による転倒骨折があります。この転倒を減らすことは重要な課題であり、現在さまざまな取り組みが行われています。医学研究科人間健康科学系専攻ではこれまで高齢者の転倒要因に関する研究をしてきました。この調査研究の結果、転倒しやすい高齢者には「dual task:二重課題」遂行能力が低下している事が明らかになりました。このdual task遂行能力というのは二つの課題を同時に遂行する能力(例:歩きながら電話をするなど)を指し、この能力が低下している人は、歩行中に考え事をしていて障害物に気がつかないなどという理由から転倒しやすい事がわかりました。山田実 医学研究科人間健康科学系専攻助手の研究結果から、脳と体を同時に刺激するエクササイズを実施する事によりdual task能力は向上することが明らかになっています。今後はこのエクササイズを継続することで高齢者の転倒を予防することに取り組んでいきます。

これまでの取組みについて

 新しいエクササイズを広く一般の方々に解説するために、医学研究科人間健康科学系専攻理学療法学講座と京都精華大学デザイン学部の教員、学生が共同プロジェクトを実施しました。京都精華大学の学生がデザインと編集を担当し、両大学の学生および教員が研究室の名称やロゴマークのアイデアなどについて、分野を超えた議論と協力を重ね以下の取組みを行いました。

  1. 京都大学と京都精華大学の教員・学生の合同研究室「ココカラボ」の結成
    最先端の情報と科学的検証からdual task能力向上プログラムの開発・研究をおこない、広く一般社会に発信していく研究室「ココカラボ」を結成しました。名前はココロ(心=脳)もカラダもココから健康に!を目指すラボラトリー(研究室)に由来します。
  2. 新しいエクササイズのイメージキャラクター、ロゴマークの制作
  3. 新しいエクササイズ紹介パンフレットの制作
    イメージキャラクターやロゴマークを用いてdual taskとその強化方法をわかりやすく紹介するパンフレット制作を行いました。
  4. 新しいエクササイズPRアニメーション映像の制作
    イベントなどで放映するPRアニメーションの制作を行いました。
  5. 「運動器の10年」市民公開イベントへの参加
    日本整形外科学会主催の「運動器の10年」市民公開イベント(5月30日(日曜日):東京)へ参加しました。ブース展示やステージイベントを開催し、dual task能力の測定とトレーニング方法の紹介などを行いました。

ロゴマーク

イメージキャラクター

「運動器の10年」市民公開ブース風景

「運動器の10年」市民公開イベント風景

今後の取組と展開について

  1. dual task能力向上エクササイズの一般配布DVDの制作
  2. 高齢者施設における健康教室の開催
  3. アート・デザインの表現技法を応用したdual task能力開発プログラムの研究開発

共同プロジェクトについて

 京都大学と京都精華大学は、教育・研究および社会貢献活動の推進を図ることを目的とした協定を2008年に交わし、様々なプロジェクトに取り組んでいます。

医学研究科人間健康科学系専攻について

 1899年に京都帝国大学医科大学附属医院看護婦見習講習科として開設され、医療技術短期大学部を経て、2003年に4年制大学として医学部保健学科に名称変更しました。2009年には大学院博士後期課程を開設し、医学研究科人間健康科学系専攻として看護科学コース、検査技術科学コース、リハビリテーション科学コース(理学療法学講座、作業療法学講座)、近未来型人間健康科学融合ユニットを有し、人々が健やかに豊かに生活できるように、からだとこころの健康創りを追求しています。

京都精華大学について

 1968年に「自由自治」を教育理念とし短期大学として開学。1979年に4年制大学として美術学部を開設、2006年には日本で初めてマンガ学部を設立するなど、これまで「表現」を教育の核として位置付け、先進的に歩んできました。現在は芸術学部、デザイン学部、マンガ学部、人文学部の4学部と、芸術研究科、デザイン研究科、マンガ研究科、人文学研究科の4研究科を有し、約4千人の学生が、自由で豊かな環境のなか、世界へ向けて発信する表現を追及しています。

関連リンク

 

  • 京都新聞(6月17日 26面)、産経新聞(6月17日 18面)および読売新聞(6月21日 15面)に掲載されました。