2013年9月25日
「数学の森 in Kyoto」が、2013年12月25日(水曜日)~27日(金曜日)に開催されます。この催しは、未来の数学者として相応しい高校1、2年生を全国都道府県から招待し、個々の才能をより大きく開花させるきっかけを提供することが目的です。
参加者は、日頃からの数学能力の研鑽成果を試す課題や試験に取り組んで、その解説を聴いたり、教員と大学院生によるパネルディスカッションを聴講することができます。
また、フィールズ賞を1970年に受賞した広中平祐 名誉教授による講演会も開催します。
全国に散らばる数学能力の優れた高校生を集めるため、書類審査に合格し参加資格を得た高校生には、会場までの交通費の大部分の補助と宿泊所が提供されます。
数学能力を競う会で入賞したことがある高校生や数学に自信がある高校生は、ぜひとも参加してください。
コンテスト参加までの流れ
- 申し込み書類(書類審査課題)提出(締め切り: 2013年11月1日(金曜日)必着)
- 書類審査(課題の答案と推薦状の内容を総合的に審査します)
- 審査結果通知(11月中旬に書類審査結果を発送します)
- 合格者のみ「数学の森コンテスト」12月25日(水曜日)~27日(金曜日)に参加できます。 ※ 定員50名(全国)
参加方法および書類審査について
書類審査への参加資格
「数学の森 in Kyoto」に参加するには、次の条件1~3すべてを満たしていることが必要です。
【参加条件】
- 高等学校1年生~2年生(2013年9月現在)。または、中等教育学校や高等専門学校等で上記に相当する学年の者。国籍等は問わないが、日本国内の学校に通学している者
- 所属学校長の推薦を受けたもの(推薦状が必要)
- 推薦は各学校から最大3名とします。
申し込み方法(書類審査課題提出)
【締め切り】
2013年11月1日(金曜日)必着(郵送のみ受付)
【必要書類】
- 申し込み書 パンフレット内、またはウェブサイト(http://cr.sci.kyoto-u.ac.jp/math2013/)でダウンロードした 「数学の森 in Kyoto参加申し込み書」に必要事項を記入して郵送してください。参加申し込み書は、1枚に1人分を記入してください。用紙が足りないときは必要な部数をコピーしてください。
- 書類審査課題(パンフレットのページ3に掲載)の答案
A4サイズで上限約10枚をめどとし、各ページに氏名を明記してください。詳しくは、「記入上の注意および審査について」をよく読んでください。 - 学校長推薦状 パンフレット内、またはウェブサイト(http://cr.sci.kyoto-u.ac.jp/math2013/)でダウンロードした推薦状の様式を使用し、内容は、生徒をよく知る教員の方がご記入ください。
参加申し込みされた方には、2013年11月11日(月曜日)までに「申し込み受理票」を発送します。11月16日(土曜日)までに届かない場合は、「数学の森 in Kyoto」事務局まで問い合わせてください。
書類審査のスケジュール
- 申し込み締め切り: 2013年11月1日(金曜日)必着
- 申込み受理通知: 11月11日(月曜日)までに発送
- 書類審査結果発表: 11月中旬に学校あてに発送
※ 書類審査合格者のみ京都で開催されるコンテストに招待します。
審査結果の通知方法
書類審査の結果は、11月中旬に高等学校の担当教員宛てに発送します。
書類審査に合格し、京都での「数学の森コンテスト」へ参加される方の列車・飛行機チケットも高等学校あてにお送りします(生徒自宅等が良い場合は別途お知らせください)。
記入上の注意および審査について
京都大学理学研究科の数学を専門とする教員が主に審査します。
- 答案は、A4サイズの用紙(ルーズリーフも可)に上限約10枚をめどとして片面にのみ記入してください。
- 各ページに氏名を記入してください。
- 手書きの他、TeXなどで清書してもよいですが、文字が判読不能な場合は、採点の対象とならない場合もあるので注意してください。
- 申し込み書を表紙として、1箇所をホッチキス等でとめてください。
書類審査課題
パンフレットの最終ページ(ページ3)最上部に掲載してあります。
書類審査への参加費
無料です。申し込み書類の送料は各自ご負担ください。
「数学の森コンテスト」日程
2013年12月25日(水曜日) 会場:宿泊所
16時00分~18時00分 | 本学の若手教員・大学院生・学部生による数学・理科相談会 |
---|---|
18時00分~19時00分 | 夕食 |
19時00分~21時00分 | 本学の若手教員・大学院生・学部生による数学・理科相談会 |
21時00分~22時00分 | 自由時間 |
22時00分 | 就寝 |
2013年12月26日(木曜日) 会場:京都大学理学部および宿泊所
6時30分 | 起床 |
---|---|
7時00分~ 8時00分 | 朝食 |
8時00分~ 8時30分 | バスにて京都大学理学部に移動 |
9時00分~13時00分 | 試験 |
13時00分~14時30分 | 昼休み |
14時30分~18時00分 | 課題問題と試験問題の解説 |
18時00分~18時30分 | バスにて宿泊所に移動 |
18時30分~19時30分 | 夕食 |
19時30分~21時00分 | 京都大学の若手教員・大学院生・学部生による数学・理科相談会 |
21時00分~22時00分 | 自由時間 |
22時00分 | 就寝 |
2013年12月27日(金曜日) 会場:京都大学理学部
6時30分 | 起床 |
---|---|
7時00分~ 8時00分 | 朝食 |
8時00分~ 8時30分 | バスにて京都大学理学部に移動 |
8時45分~10時15分 | 京都大学の若手教員・大学院生によるパネルディスカッション |
10時15分~10時45分 | 成績発表、表彰式 |
11時00分~12時30分 | 講演会 広中平祐 名誉教授(1970年フィールズ賞受賞) 演題:特異点解消の理論 |
13時00分 | 解散(京都大学理学部) |
※ 12月25日(水曜日)~27日(金曜日)までの全日参加を標準としますが、26日からの参加も可能です。
講演会概要

「特異点解消の理論」 広中平祐 名誉教授
- この講義では、特異点の解消問題を代数幾何の一分野としてお話を進めます。
- 代数幾何の基礎は二つの対象から構成されています。一つは基礎体と呼ばれるもので、普通には研究の目的に合わせて選ばれ決められた「定数」と呼ばれる数の集合と理解される対象です。例えば、有理数体、実数体、複素数体、さらには有限体などです。もう一つは「変数」とよばれる対象で普通、xとかyとか、の記号を使って表示される対象です。「定数」と「変数」を使って多項式とか方程式とかを表示します。
- 「定数」と「変数」を選んで決めておけば、代数幾何の「代数的」な作業が始まることになります。例えば、多項式の「微分」などが形式的に、簡単明瞭に定義されます。実はこの「微分」という操作が高度の代数幾何の様々の理論で活躍することとなるのですが、その活躍振りを説明するだけでも容易な作業ではありません。特異点の研究でも代数と幾何を結びつける最も重要な鍵の一つとなるのです。
- 特異点とはどんなものかということを H.Hauser氏がかなりのcomputer時間を使って描いた曲面(二次元)の絵を借用して視覚的に説明します。
- 特異点の解消方法を説明するには、まずは平面の座標の考え方、特に直交座標と極座標の関連で定義される座標の変換を理解していただかなければなりません。
- 平面のなかの曲線の特異点を解消する様子から初めて、空間のなかの曲面の特異点の場合を説明します。曲面では既に新しい課題が現れます。これはあらゆる幾何学の研究で避けて通れない「局所的問題」と「大局的問題」の相互関連の課題です。有用で面白い課題です。
表彰
コンテストでの上位者を表彰します。また、副賞としてメダル等が授与されます。
参加費
参加は無料です。宿泊所を提供し、会場までの旅費についても補助します。書類審査の郵送代は各自ご負担ください。
旅費・宿泊費の補助について
宿泊所は主催者が提供します。旅費は、最寄JR駅から会場までを補助します。また、飛行機代についても、補助します。 26日(木曜日)は9時00分に開始し、27日(金曜日)は13時00分に終了予定です。遠隔地等で、前泊や後泊が必須な場合は補助します。
高等学校の先生方へ
推薦は各校最大3名まででお願いします。また、推薦状は校長名でお願いします。記入される方は、推薦される生徒をよくご存知の先生であれば、どなたでもかまいません。
貴校の中で最も数学能力に優れた生徒をご推薦ください。また、生徒の客観的な能力を示すような、数学オリンピックや、コンテスト、コンクール受賞歴などがありましたら、特に明記いただけると幸いです。
書類審査合格者は、数学の森コンテストに招待します。2013年12月25日(水曜日)~27日(金曜日)の2泊3日です。もし引率者が同伴される際はコンテスト会場にご入場いただいても結構です。
申し込みおよび問い合わせ先
申し込みは、郵送でのみ受け付けます。簡易書留等の発送記録がお手元に残る方法でお送りください。
〒606-8502 京都市左京区北白川追分町
京都大学大学院理学研究科社会交流室
「数学の森 in Kyoto」事務局
TEL: 075-753-3640
FAX: 075-753-3645
E-mail: math*cr.sci.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)
※ お返事まで、時間をいただく場合があります。
主催
京都大学理学部・理学研究科
参考URL
理学研究科ホームページ
「数学の森 in Kyoto」
http://cr.sci.kyoto-u.ac.jp/math2013/