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京大の「実は!」Vol.18 京都大学の「リケジョ向けの取り組みの実は!」

 理系といえば男子の学問? 女子は理系に弱い・・・?

 いえいえ、そんな時代はもう古い!今では「理系女子=リケジョ」という言葉も定着しているほど、理系を目指す優秀な女子がたくさんいるんです。

 もちろん、京大でもすばらしい女性研究者がたくさん活躍しています!

 京大では、そんな「理系が大好き!」「実験大好き!」という未来の女性研究者のために、さまざまな取り組みを実施しています。

 そんな理系を目指す女子向けイベントの一つが、「女子中高生のための関西科学塾」

 さまざまな実験や、理系で活躍する講師のお話などを通じて、理系を目指す女子中高生たちの好奇心をバックアップするイベントです。

 今回は、「関西科学塾」のレポートを中心に、京大が推進する「リケジョ向けの取り組みの実は!」に迫ります!

「女子中高生のための関西科学塾」って?

 「関西科学塾」は、関西近郊の5大学(大阪府立大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、奈良女子大学)が連携し、2006年度より開催している、理系を目指す女子中高生向けの企画です。

 上記の各大学が一年を通じて、実験教室や講演会、女子中高生と企業や大学で活躍する女性研究者とのコミュニケーションの機会を設けるなど、将来の女性研究者を育成する目的で実施しています。

 第8回目の「関西科学塾」は、京都大学が主催となり、2013年6月より2014年3月まで、全6回にわたる多彩なプログラムが実施されました。

 そこで今回は、3月15日(土曜日)、16日(日曜日)に京大で開催された、最終プログラム【日程F】の様子をレポートします!

第8回「女子中高生のための関西科学塾」 【日程F】をレポート! 

第8回「女子中高生のための関西科学塾」【日程F】のプログラムはこちら。

3月15日(土)

  • 開会あいさつ(京都大学理学部6号館401号室)
  • 実験・実習
  • (宿泊先にて)プレゼンテーション準備 など

3月16日(日)

  • 【午前】プレゼンテーション
  • 【午後】講演「~化粧品は科学~」 株式会社資生堂 リサーチセンター化粧品開発センター情報開発室 渡邊裕子氏
  • 表彰式、閉会挨拶

■1日目: 開会の挨拶を皮切りに、実験スタート!

 今回の【日程F】の特徴は、実験や実習で学んだことや感じたことを、プレゼンテーションにより伝えるという部分。優れた発表には表彰もあります。そのために、今回は1泊2日で、とことん科学と向き合うプログラムとなっています。

 初日は、常見俊直 理学研究科学術推進部社会交流室長からの開会の挨拶を皮切りに、事前に登録した各実験室へと移動し、それぞれ実験・実習スタート。京大で行われている最先端かつユニークな研究に関する実験や実習を、京大の先生から直接指導を受けながら体験できる貴重な機会でもあります。普段通っている学校では触れることの出来ない、本格的な実験器具を前にみんな緊張気味。

 ここでの実験・実習結果が2日目のプレゼンテーションの内容を左右するため、みんな真剣に取り組みます。


(左)最優秀発表賞を受賞した「見えないものを見てみよう! 地下を覗き見るテクノロジー講座」の実験風景。電気探査装置を使って、地下の電気の通りやすさ・通りにくさを調べます。(中央)優秀発表賞を受賞した「伝導性ポリマーの合成」の実験風景。(右)実行委員長賞を受賞した「植物は何を食べているのか?」の実験風景。栄養素が不足しているコマツナから、その不足栄養素を正しく判定します。


(左)「プラナリアを使った生物実験」の様子。プラナリアにさまざまな刺激を与えてみたり、体を切断してみたりして、その行動変化を観察します。(中央)「電波に耳を傾けよう ~ラジオの製作に挑戦~」の実験風景。今回製作したのは「ゲルマニウムラジオ」。(右)「彗星から見えてくる太陽系のすがた」の実験風景。トレース方眼紙を使って、彗星の軌道や尾の形状の時間変化を写し取ります。


(左)「高温超伝導の不思議」の実験風景。(中央)「光の波長を測ろう」の実験風景。分光器を使って、さまざまな種類の光の波長を測定します。(右)「古気候学 ~石から探るむかしの天気~」の実験風景。実験に用いる超純水を200滴、みんなで一緒に数えながらビーカーへ。


(左)「化学反応を使って隕石を鑑定しよう」の実験風景。(中央)「DNA-分子を実際に見てみよう!」の実験風景。蛍光顕微鏡を使って、蛍光色素で光らせたDNAを観察します。(右)「カオス・フラクタルの世界を知る」の実験風景。

宿泊先にて、2日目のプレゼンテーション準備に着手!

 実験後は宿泊先に戻り、夕食などを済ませた後、早速明日のプレゼンテーション準備に取りかかります。グループごとにみんなでアイデアを出し合い、工夫してプレゼンテーション内容を考えます。どのグループも夜遅くまで奮闘。大変だけど、合宿みたいで楽しい!


(左)大判紙にわかりやすく説明を書いたり、グループごとに独自のアイデアで見せ方を工夫。(中央)京大生スタッフのアドバイスも受けながら、みんなで一緒に作戦会議。(右)今回は、1人で発表する参加者も。先生に相談しながら入念に準備します。

■2日目: プレゼンテーション本番!

 前日の実験・実習内容をみなさんの前で発表するプレゼンテーション本番。全12グループが、前日夜に準備した発表内容をプレゼンテーションします。大勢を前に、マイクで発表をするのは初めての参加者ばかりで、みんな緊張・・・。

 各グループ、個性豊かなプレゼンテーションで、会場もみんな興味津々で聞き入っていました。


(左)実験結果を大きな紙に色とりどりに楽しく描いて説明したグループ。(中央)演劇風に、実験内容をわかりやすく表現したグループ。(右)たった1人でも、まるで研究者さながらの落ち着いた発表に会場も感心!

講演会: -株式会社資生堂 リサーチセンター化粧品開発センター情報開発室 渡邊裕子さん-


講演をする渡邊さん

 プレゼンテーションの後は、株式会社資生堂 リサーチセンター化粧品開発センター情報開発室の渡邊裕子さんによる講演「~化粧品は科学~」がありました。

 「どこかで見たことのあるお顔・・・」と思ったら、ご本人もCMに出演していた資生堂ブランド「専科」の開発者の方! なるほど、そのお肌のキレイさにも納得。

 研究者として、お肌の話や仕事内容について、さまざまなお話をしてくださいました。

 お肌の加齢の進行変化をスクリーンで映し出す場面では、会場から驚きの声(中には保護者の悲鳴も?)があがったりと、アンチエイジングに関する女性ならではの関心の高さがうかがえました。

 講演後はたくさんの質疑応答があり、会場は最後まで大にぎわい。中には「いつからお化粧を始めれば、今の(若い)肌のままでいれますか・・・?」といった女子ならではの質問も。

 また、長年の開発者としての経験から語る、「日々の研究の積み重ねの大切さ」は、理系を目指す参加者たちに大いに参考になったようです。

表彰式。その結果は・・・?

 そして最後に、プレゼンテーションの表彰式を実施。

 主に、プレゼンテーションの内容(工夫度や、発表の仕方など)から総合的に審査の上、グループ賞(最優秀発表賞、優秀発表賞、実行委員長賞)が発表されました。受賞者にはさまざまな賞品も贈られました。


表彰式の様子。みっちり2日間やり遂げた達成感もあってか、受賞者の喜びもひとしおです!

参加者のリアルな声をご紹介!

  • 今回は地学の実験でした。サンゴから昔の海洋の気候がわかり、世界中の様々な面白い特徴が知れてよかったです。また、関西科学塾に参加できて、普段ではできない京大の先生方や学生さんたちのお話や実験がとても楽しく、貴重な時間を過ごさせていただきました。
  • わたしはF5の"彗星から見えてくる太陽系のすがた"の実験をさせていただきました。そもそも、私はそれほど宇宙に興味があったわけではなく、たまたまおもしろそうだなと思ってやってみたのですが、思った以上にまだまだ宇宙にはなぞが多いことがわかりました。そして、宇宙にとても興味を持ちました。今日をとおしてとても宇宙に関心を持てて、いい機会だったなと思いました。
  • 今回、学校でやる実験とはまた違った、高度な研究(?)、実験をして、理科や実験の持つ楽しさというものを、改めて感じました。普通に、結果が予想できていたりするものを調べるよりも、結果がまだ出てなくて、未知のものを調べるほうが、はるかに面白いと思いました。とても楽しかったので、また来年も、友達を誘って参加したいと思います。
  • 私は将来、研究職に就きたいと思っています。なので、今回の取り組みは、研究がどのようなものか、体験することができ、とても楽しかったです。また、年齢や、行いたい研究が同じ仲間との一泊二日で、実験から発表までの研修は、将来の見通しに役立ちました。この一年間楽しかったです。ありがとうございました。参加して、よかったです!!
  • とてもわかりやすかったです。先生や大学生の方々がほんとに親切でよかったです。京大はとても難しくてあきらめかけていたけど、先生が「これから少しずつやっていけばうかる!」とおっしゃってくれたので目指したいと思います!6年後、ここに通えていたらいいなと思います!
  • 高校に入った時から、理系に進みたいと考え、理系を選択しましたが、今回の取り組みで、研究者になりたいと思い始めました。また、理系を選んだ女性がどんな活躍をしているのか具体的に知ることもできてよかったです。4月からは受験勉強をがんばります!
  • 一つのグループで二日間にわたって実験→まとめ→発表と協力しながら取り組み、テーマについての理解を深めるとともに、人の力を頼り、頼られながら物事を進めていくことの大切さを知ることができた。はじめはグループになじめるか不安もあったけれど、取り組みを進めていくうちに、少しずつ口数も増え、最後にはしっかりまとめることができたことはとても良かったと思う。二日間、充実した時間を与えてくださってありがとうございました。
  • とーってもたのしかったです! プラナリアは以前に見たことがあって、もう一度詳しく調べたいと思っていて、その思いがかなってうれしかったです。少し難しい実験だったけど、おもしろかったです。プレゼンも楽しく作れたと思います。泊まりということで少し不安でしたが、同じグループの人たちも普通に話すことができてよかったです。

他にもあります!女性研究者を目指す女子学生向けのお役立ち情報!

 男女共同参画推進センターでは、未来の女性研究者へ向けて、京都大学で活躍する女性研究者からのメッセージをお届けする冊子「未来に繋がる青いリボンのエトセトラ」を発行しています。

 京大に所属する女性研究者たちの生き方や研究者になるまでの道のり、修士・博士課程の学生による座談会など、学問を探究する女性たちの素顔がチラリとのぞく楽しい内容です。研究者を目指す女子たちの、未来の姿をイメージできるかも。

 百周年時計台記念館1階や吉田キャンパス正門前の広報センターなどで入手可能です。

【冊子に関するお問い合わせ】
男女共同参画推進センター
TEL:075-753-2437

 工学部では、京都大学オープンキャンパスにおいて、女子高生のための工学部共通企画「テク女子」を開催しています。今年は8月8日(金曜日)に開催します。

 男子に比べて人数が少ない工学部女子学生を増やすことを趣旨として、京大の現役女子学生スタッフが中心になって企画・運営を行い、工学に関心のある女子高校生・受験生とその保護者を対象に、学生生活、研究生活、学習内容、進路、仕事などについて講演や懇談を行っています。

【企画に関するお問い合わせ】
工学研究科教務課教務掛
TEL:075-753-5039

  • 京大で活躍する女性研究者のリアルな声を聞こう! ~「女子高生・車座フォーラム」

 京大ってどんなところ? どんな勉強や研究ができるの? 卒業後の進路にはどんなものがあるの? ・・・などなど、女性にとっての「研究者という職業」について知ることができる、女子高校生向けのイベントです。京大の教育体制や学生支援、学生生活なども、教員や学生スタッフから直接話を聞くことができます。2014年度は12月23日(火曜日・祝)に開催される予定です(車座フォーラム2014の案内Webサイトは、6月13日(金曜日)に男女共同参画推進センターホームページにて公開予定)。

 本賞は、京都大学における若手の女性研究者の優れた成果を讃える制度として、平成20年度に創設したものです。

 人文・社会科学または自然科学の分野において、優れた研究成果を挙げた若手女性研究者を顕彰し、当該若手女性研究者と、これに続く若手女性研究者の研究意欲を高め、京大のみならず、日本中の学術研究の将来を担う優れた女性研究者の育成等を促進することを目的にしています。

 また、昨年度から正賞である「たちばな賞」のほかに、「京都大学優秀女性研究者奨励賞」(奨励賞)が創設されました。

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