リュウグウノツカイやユキフリソデウオなどの深海魚の解剖を一般公開しました。(2014年5月15日)

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京都大学では霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院のカリキュラムの一環として、大学でなされている研究のアウトリーチ活動を動物園・水族館・博物館などを通して一般市民へと働きかけていくことを企画しています。それによって、動物園・水族館・博物館など従来の見学を主としていたところに、

  1. フロント・サイエンスと接することのできる場としての付加価値を創出する
  2. 年間パスなどを活用してサイエンスを学ぶ場として活用する
  3. 博士学位取得した若手研究者のキャリアパスを創出する

ことを期待しています。

最初の試みとして、理学研究科生物科学専攻およびリーディング大学院がカリキュラムとして行っている屋久島フィールドワーク/ゲノム科学実習と水族館とのコラボにより、水族館に納められている、深海魚などのサンプルのゲノムDNA解析や、食べ物のDNA解析を一般公開も兼ねて行いました。

今回は京の海で捕獲されたリュウグウノツカイやユキフリソデウオなどの深海魚を京都水族館のメインの水槽前で一般公開し、それらを解剖して消化管内にある内容物を取り出して、DNA抽出を行いました。貴重な深海魚の一般の方に見る機会を提供するとともに、生物学のフロント技術を紹介しました。当日は阿形清和 理学研究科教授が解説を、田城文人 舞鶴水産実験所研究員が解剖を行いました。180名を超える方が集まり、解剖の様子を見守るとともに解説に聞き入っていました。

今後はゲノム科学実習(5月29日から6月5日)によって、それらのDNAサンプルを次世代シークエンサーを用いて解析し、6月6日に水族館で一般の方々にも結果報告をする予定です。そして、次世代シークエンサーの登場によって医療や進化研究が質的に転換されたことを一般の方々にも知っていただく機会としたいと考えています。


リュウグウノツカイ(京都水族館提供)

ユキフリソデウオ(京都水族館提供)

リュウグウノツカイの解剖の様子

ユキフリソデウオの解剖の様子