公開講座 不可知なもの －ことばによる思考を超える心の機能と心の変化－

　教育学研究科附属臨床教育実践研究センターでは、毎年、深刻化する教育問題への取り組みの⼀環として、現代人のこころの理解に主眼をおいた公開講座を実施しています。今年度は、ルディ・ベルモート（Rudi Vermote）同センター客員教授を講師として開催します。

　ベルモート客員教授はベルギーの訓練分析家で、元精神分析ベルギー協会会長であり、現ルーベン大学精神医学センター部門長です。これまで精神分析の中でも特にビオンの業績について多数の著書や論文を発表しています。

　本講座ではことばによる思考を超える心の機能と、今日的な話題でもある脳科学とのつながりについて精神分析的な視座からお話しします。そしてこの話題について、当日は臨床的な素材とともに西洋と日本の芸術についても示す予定です。

　フロイトに始まる精神分析の概念が、ビオンを通じて現代の神経科学における最新の知見にどう貢献できるのでしょうか。また、科学（science）と芸術（art）はどのようにつながっていくのでしょうか。思考とコミュニケーション、そして言語を超える心の機能について、古典的な概念に触れながら科学的な観点へと誘う精神分析の最先端について講演します。

　講演内容は、同時通訳があります（通訳： ダーリンプル規子 中部学院大学准教授）。是非ご参加ください。