研究成果

うねり構造をもつグラフェンナノリボンの精密合成に成功 ー非ベンゼノイド構造の新規構築反応を開発ー


2020年07月20日


     小川直希 薬学研究科・日本学術振興会特別研究員、高須清誠 薬学研究科教授らの研究グループは、5~7員環芳香環を含んだうねり構造を有する新規グラフェンナノリボン(GNR)の完全精密合成に成功しました。

     GNRはベンゼン環(六員環芳香環)が平面に細長く敷き詰められたナノメートルサイズの帯状化合物で、特徴的な半導体特性などから未来型電子材料として期待されています。GNRの性質は、帯の長さや幅だけでなく、エッジ構造や格子欠陥の違いで大きく異なることが知られていますが、それを原子レベルで精密に制御して作ることは困難という問題がありました。

     本研究グループは、格子欠陥としてアズレン環(六員環構造を持たない芳香環)を高密度に組み入れたGNRの精密合成に成功しました。これを達成するには、アズレン環を構築する新反応の開発が重要でした。合成した新規GNRに含まれるコーブ型エッジ構造は従来知られているグラフェンナノリボンより狭く、特徴的にうねったらせん構造の要因となっています。本研究成果は、複数の異なるエッジ構造や5〜7員環の格子欠陥を有する、これまでにない性質をもつGNRの創製につながることが期待されます。

     本研究成果は、2020年7月17日に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載されました。

    図:本研究のイメージ図

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1021/jacs.0c06156

    Naoki Ogawa, Yousuke Yamaoka, Hiroshi Takikawa, Ken-ichi Yamada, and Kiyosei Takasu (2020). Helical Nanographenes Embedded with Contiguous Azulene Units. Journal of the American Chemical Society.


    うねり構造をもつグラフェンナノリボンの精密合成に成功 ー非ベンゼノイド構造の新規構築反応を開発ー
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